内容説明
歴史は「昔、むかし」の物語。さあ今から昔話をはじめよう――。『美術の物語』の著者がやさしく語りかけるように、時代を、出来事を、そこに生きた人々を活写する。ネアンデルタール人の登場から自ら体験した第二次大戦まで。一九三六年の初版刊行から半世紀を経て復刊されて以来、各国で読みつがれてきた“物語としての世界史”の古典。文庫上下巻を合本とし、最新版を参照して訳文を見直した、待望の改訂版。
目次
1 「昔、むかし」
2 偉大な発明者たち
3 ナイル川のほとり
4 日月火水木金土
5 唯一の神
6 だれもが読める文字
7 英雄たちの時代
8 けたちがいの戦争
9 小さな国のふたつの小さな都市
10 照らされた者と彼の国
11 大きな民族の偉大な教師
12 偉大なる冒険
13 新しい戦い
14 歴史の破壊者
15 西方世界の支配者
16 よろこばしい知らせ
17 帝政のローマ
18 嵐の時代
19 星夜のはじまり
20 アッラーの神と預言者ムハンマド
21 統治もできる征服者
22 キリスト教の支配者
23 気高く勇敢な騎士
24 騎士の時代の皇帝
25 都市と市民
26 新しい時代
27 新しい世界
28 新しい信仰
29 戦う教会
30 おぞましい時代
31 不幸な王としあわせな王
32 その間に東欧で起こったこと
33 ほんとうの新しい時代
34 暴力による革命
35 最後の征服者
36 人間と機械
37 海の向こう
38 ヨーロッパに生まれたふたつの国
39 世界の分配
40 わたし自身が体験した世界史のひとこま
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
広瀬研究会
7
父親が幼い子供に語り聞かせるような文章で書かれた、いわゆる物語としての歴史。征服したり滅亡したり、もちろんそれは読み物としてとても面白いんだけど、それにしても本当に長い間争いを続けた結果、ようやく18世紀になって「寛容」「理性」「人権」の啓蒙思想が生まれたってことなんだなあ。この本の初版は1935年、第一次大戦の章で終わっていたが、50年後に第2版が出された。その時追加された章には当然、第二次大戦のことが書かれていて、現代に生きる僕らにとっては、これこそが真に価値のある内容となっている。2024/04/29
植岡藍
4
上下分冊版を読んだのが8年前。まさか世界がこれほど変わるとはという思いがする。今回は地図を片手に地名や位置を確認しながら世界史を味わった。歴史の面白さを味える名著。2025/01/16
ほぐか
4
昔むかしあるところに……。 子どもの頃から慣れ親しんだ冒頭からはじまるこの本は、その書き出しからは想像もつかないほど骨太な内容であった。 古代から近代まで、読みやすい平易な文体ながらも読み応えたっぷりに書き連ねられている。学生時代の歴史の授業を思い出しながら、時間をかけてじっくりと読ませてもらった。 凄惨な歴史を書かなければならない部分ももちろんあるのだが、事実を伝えようとする著者の信念、優しさを感じ取れる一冊であった。2024/02/01
英磨
4
ウィーン生まれの名美術史家が妹に献じたとされる人の歩みが綴られた世界史の本の改訂版、若い読者もそうでなくても勉強になる。ヨーロッパからの視点であるが、ヨーロッパ人にとって触れたくないような恐ろしく恥ずかしい歴史がしっかり綴られている。文明の力は戦争、殺戮の為の兵器だけでなく、荒廃から世を立ち直し、医療の面から恵をもたらしたとのくだりは救われる気がする。改めて興味深い史実をYouTubeや関連映画で観たいと思う。2023/01/14
Akira Nagata
1
人類の発展の中で繰り返し無残な争いが生じていることが身に染みてよくわかる名著です。2024/10/25
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