角川ソフィア文庫<br> 家康家臣の戦と日常 松平家忠日記をよむ

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角川ソフィア文庫
家康家臣の戦と日常 松平家忠日記をよむ

  • 著者名:盛本昌広【著者】
  • 価格 ¥1,276(本体¥1,160)
  • KADOKAWA(2022/10発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044007140

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内容説明

家康の家臣で一族でもある松平家忠は、戦国期の17年間にわたり、毎日の出来事や見聞きした情報を記録し続けた。「家忠日記」と呼ばれるこの日記には、家康の合戦に対する苦悩や、行動の詳細な変遷、家忠の豊臣政権による不条理な要求への愚痴、茶の湯・能の鑑賞・連歌に勤しむ日常生活など、当時の一武将の周辺が記録されている。日記をもとに先駆的な研究を手掛けた著者が、戦国の合戦や日常生活から、贈与やもてなしの実態までも明らかにする。


〈目次〉

序章 松平家忠と『家忠日記』
第一章 武田氏との戦い
第二章 秀吉との対決
第三章 家忠の日常生活
第四章 忍における日々
第五章 上代での日々と伏見普請
補論一 家忠の所領と兄弟
補論二 鵜殿氏・水野氏の動向と家忠
補論三 不動国行の刀と惣無事令

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nagoyan

15
優。面白く興味深く読んだ。深溝(ふこうず)松平家の家忠の日記から、徳川家臣の日常を読み解く。深溝松平家は現在の愛知県額田郡幸田町の東南に盤踞した豪族で、徳川家康を出した松平氏の支族。三河、尾張地方の豪族と血縁で、また近隣の豪族とも年中行事、連歌、茶といった文化活動でも結ばれていた。家康への奉仕で目立つのは、さまざまな土木工事(「普請」)。上司に当たる家康上級家臣や同僚との交際も。関東転封後は苦労。家族を案じ、仕事に実直勤勉に務める姿には親近感が涌くが、独自に中央情勢に目を配る姿には、「戦国武将」を感じる。2022/11/20

サケ太

13
松平家忠の日常もの、というかお仕事ものというか。家康の家臣として働き、連歌を楽しみ、主君として領地を治める。人間関係にも配慮し、主君にあいさつしていく多忙なその姿は戦国時代の「武将」としての生き方を感じた。2023/01/25

MUNEKAZ

12
徳川家臣・松平家忠の遺した『家忠日記』を読み解く一冊。日記なので淡々としているのは当然なのだが、ひたすら城の普請や遠方の城への定番が続くのが印象に残る。派手な合戦とはまた違う、戦国武士の生活が見えてくる。また姻戚や徳川家中との付き合いで、宴会や接待、贈答が頻繁に行われており、なんとも「密」な人間関係が営まれていたことも面白い。家忠自身も連歌に激ハマりして近隣の領主と句会を何度も開き、ついには京で里村紹巴に面会している。最期は伏見城で討死するが、彼の日常がこうして後世に伝わるのも、日記を記す意義であろう。2022/11/11

coldsurgeon

6
徳川家康の一族の深溝松平氏の松平家忠の日記を忠実に追った書。家康の家臣であり、水野家・鵜殿家などとの姻戚により、日記に記された事柄は、歴史の大きな流れを示しながら、当時の日常をうかがわせる記録も豊富である。戦いの記録は少ないが、多くの城普請に駆り出されて大変であったことを窺うことが出来る。戦国時代末期の家康と家臣との関係の重要な記録だろう。関ヶ原の戦いの前夜、伏見城で壮絶死した鳥居元忠と一緒に、松平家忠も戦死していたことは、心に留めておきたい。2022/11/03

オルレアンの聖たぬき

2
今年読んだ中で一番面白かった気がする。家忠日記は資料としてしか考えていなかったけれど、これ一冊で面白いドラマが出来る。史実ガー!と叫ぶ人も黙る戦国ホームドラマになる。時間を忘れて読み耽ってしまった。史実を重視する人はぜひ読んでほしい。新しい発見で付箋だらけになることは保証する。2023/04/06

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