内容説明
教会のベンソン神父が若い女性を伴って、街のバーへ私を訪ねてきた。連れの女性・長原美沙子の婚約で、神父は上機嫌に祝杯をあげた。だが、一週間後、自殺未遂の新聞記事に彼女の名前が……。暴力団に乱暴され、婚約を破棄されたのだという。それを知った神父は一人で乗り込み、逆に返り討ちに遭ってしまった。どうやら茶道の師匠である私の、封印したもう一つの顔の出番のようだ――。傑作ハードボイルド、待望の新装版。(解説・西上心太)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
45
最初は「男たちのワイングラス」で改題され本タイトルに、そして今月再び「男たちの~」に戻って再出版された本作。同じ内容ならせめて安価な方を選んだ次第。武道家でもある今野さんの真骨頂が気持ちいいぐらいにスカッと読めます。主人公は茶道の師匠であり、かつ一子相伝の技を持つ泣く子も黙る(泣くのは悪いヤツら)武道家。毎夜訪れるバーに持ち込まれるトラブルに師匠が立ち向かう。格闘シーンがリアルだけに映像を見てるように立ち回りがカッコいい!茶道と武道に通じるものも感じられ、そこに美人まで登場となるとまるでドラマの世界。2018/06/25
myunclek
36
魅力ある警察小説を読ませる今野敏のもう一つの姿。格闘家の血が書かす武道バイオレンス。お洒落なjazzと大人の洋酒が似合う小さなバーに持ち込まれる町のトラブル。自ら空手の有段者だけに、格闘シーンが具体的過ぎて少し醒めてしまうのが減点^o^しかし、いつも守られる正義には単純だけど喝采だ!2016/06/08
ゆめ
34
今野 敏氏の作品に こんな感じのものもあるのですね。しりませんでした。短編でサラサラと読了。2016/02/18
金吾
26
武道の達人である茶道家が毎回トラブルに巻き込まれ活躍する話です。渋い雰囲気の中で予定調和の話が進みます。2024/03/23
りょうけん
14
<解> まるで北方謙三オヤビンの作品題名をこそーりと真似たような題名だなぁ。しかも文庫化の時にこの題名になってんだから,それは誰か出版社担当の薄知恵によるのだろうなぁ。おまけになんだか物語の場面や雰囲気の設定まで北方謙三オヤビンのハードボイルドものに少し似ていると感じた。つまりかなり面白い作品です。笑う。 2021/09/24