内容説明
悲観論はだいたい間違いです
人口減少、男女格差、グローバル化……これらはみな日本の「伸びしろ」です!目からウロコ、腹から納得できる出口流「成長への道」。
日本は衰退している、多くの課題を抱えて打開策が打てなくなっている、と考えている人は多いでしょう。たしかに人口減少、一人当たりGDPの低下、生産性の低さ、向上しない女性の地位など、先行きに不安を感じさせることばかりです。しかし、これらの課題の中にこそ、「日本の伸びしろ」がある。それが出口流の「逆転の発想」です。
資源のない日本が豊かであり続けるためには、モノと人と情報を活発に動かしていくほかありません。本書では、具体的な課題を「伸びしろ」に変える方策を提示します。本書の執筆過程で、脳出血に見舞われた出口さんは、一年のリハビリを経て、学長の職務に復帰しました。本書は復帰後初の日本社会への提言でもあります。
目次
はじめに
第一章 日本の伸びしろはどこにある?
第二章 好きなことを学ぶ高学歴社会に
第三章 人口減少を止めなければ国力は戻らない
第四章 働き方を変えれば生産性は上がる
第五章 移民を迎え入れた日本は強くなる
第六章 女性が生きやすいと経済は成長する
第七章 社会保障改革という伸びしろ
第八章 最大の伸びしろは「選挙」にあり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
42
出口先生は大病しても精力的だ。一つひとつの主張は自分の考えと違うところもあるけれど、オタクであることを良しとする、人口減少を止める、働き方を変える、移民を受け入れる(チープレーバーを除く)、女性が働き易い社会を作る、社会保障を改革する、選挙に行くという考えは同意。日本の伸びしろはまだまだある。これを変えるにはやっぱり政治から変えないとね。自分はもうおじさんであるのだけれど、若い方たちが活躍できる社会が望ましいと考えている。そうで無ければ未来が無い。セカンドキャリアは若者や女性を支える役割でありたいと思う。2022/11/09
あみやけ
37
読みやすかったです。選挙前にこういう本を読んでほしいですね。いろんな人に。一側面だけを強調して批判をするのは簡単です。まさに木を見て森を見ず。その典型がマスコミのみなさんですが。のびしろについて語っているので前向きですね。ただ、正直そんなに簡単ではないと思いますが。何より学校教育が苦しい。お金をかけなすぎだし、木を見て森を見ないマスコミ、保護者で溢れていますから。そしたら高等教育もジェンダーも変わりません。社会保障は欲しいのに税金は…とか。変なところに金はかけるのに。思考力を育てたくても現状ではなかなか。2024/10/20
HMax
33
「悲観を成長に変える思考力」、70歳を過ぎて脳卒中に倒れリハビリに励む自分を日本に重ね、日本のリハビリへ向けて一石を投じる。一人当たりGDPは2000年に世界2位であったのが2022年には台湾にも抜かれ28位。30年以上も問題・課題をため込んできた日本は改善余地が山ほどある。改善点とは即ち伸びしろがある。さあ立ち上がろう! まずは鉄血宰相ビスマルクにならい、「社会保険料を払えない企業に従業員を雇う資格はない」、「非正規労働者にも厚生年金を」から始め、ゾンビ企業に退場してもらいましょう。2022/12/30
かず
26
帯だけで目的を達成できます。私は、常々思っていました。「マスコミ情報は悲観的に過ぎる」と。マスコミは大衆宛てに伝達されるものですから、そういう情報が受けるのでしょう。それを無批判に受け入れるのは、自らの首を絞めるのに等しい行為です。日本人は、中学までは世界一の学力を誇るそうです。しかし、大学で勉強しなくなり、大きく順位を落とすそうです。そんな彼らが過去からのしがらみから大きく自己変革できない日本企業に勤めても、イノベーションなど起こせようはずもない。日本人は、可能性を信じて邁進すべきです。2023/01/30
ねこまんま LEVEL2
23
令和になった今でも日本には昭和の働き方が残ったままなのかもしれない。暗い話題が先行するものの、そうとも限らないと前向きにさせてくれる。難しいそうな話題でもすらすら読めるのでつい出口さんの本は気になってしまう。日本の誰もが選挙に行ったら案外コロッと状況が好転するのかも。2023/01/24