内容説明
日本で世界で「学問の自由」が揺れている.旧来の「アカデミア」対「外部(政治)」の関係にとどまらず,拡大した経済・産業界からの影響を受け緊張関係の顕われが多様化する一方で,国際機関や非政府組織により,権利保障の規範づくりや情報共有が進んでいることはあまり知られていない.現在必要な知識を凝縮した1冊.
目次
はじめに
1 社会に対する責任としての学問の自由……広渡清吾
2 戦前日本の国家統制と学問――文部省思想局の憲法学説調査……水島朝穂
3 アメリカにおける産学連携と学問の自由の緊張関係……宮田由紀夫
4 学問の自由の国際的保障……栗島智明
終章 学問の自由の議論を新たな段階へ……羽田貴史
コラム① テニュア(終身在職権)と学問の自由――アメリカ
コラム② 任期付き教員と学問の自由――日本
コラム③ 学生に学問の自由はあるのか?
コラム④ 学問の自由とファカルティ・ディベロップメント
コラム⑤ 大学入試と学問の自由,大学の自治
アメリカにおける産学連携と学問の自由に関する略年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoe
21
科学は真理を探究する目的を持ち、それ以外を持ちえない。よって、科学者は、社会から真理の探究を信託されている。人類の認識活動の営みを確保するために、学問には自由であることが前提とされる。しかし、学問の自由とは何か、それすら知識として共有されていないのではないかと疑わしく嘆かわしい状況である。自由を奪うもの。地位、お金、その他。ひも付きでない基礎研究の資金が必要だと議論を始めても、税金から捻出していたりすると、成果は何かという指摘を受ける。ネガティブな結果も含めて人類の学びと言える度量があればとは個人的意見。2022/10/30
たろーたん
2
学問の自由は、自由一般と異なる特有の在り方をしている。つまり、何も縛るものがないから自由だという訳にはいかない。そこには、学問を成り立たせるために紐付きではない金が要る。つまり、「お金はあげません、研究費はあげません。でも、一部の学問を弾圧しているわけではないから、学問の自由は制限してないよね」とはならない。学問の自由を保障するためには、ある程度のお金が必要なのだ。制限してないから自由とはならないのである。そして、もう一つ、このような自由を成り立たせるために、科学者個人の責任だけでなく、(続)2024/08/29
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