内容説明
光は新宿より
この男、悪魔か英雄か? 焦土の東京に君臨した伝説のテキヤ。〈街の商工大臣〉〈東京のアル・カポネ〉と呼ばれた尾津喜之助の破天荒な生涯をまったく新たな視点で描く圧巻のノンフィクション!
目次
まえがき
序章
第一章 不良少年は親分に
第二章 闇市の誕生
第三章 殺人横丁、闇の女、マーケットの夜
第四章 市街戦、商工会議所設立――激動の一年
第五章 新宿の鬼と上野の虎
第六章 鬼熊の晩年を訪ね歩く
あとがき
出典
主要参考文献一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
18
個人の感想です:B。『帰郷』(浅田次郎)読書会の参考本。同書は昭和20年の新宿東口から話が始まり、尾津組の名も出て来る。尾津喜之助さんは1897年~ 1977年の露天商、テキ屋を統括する組長。終戦後5日後には新宿駅東口で闇市を開業。出品者にも買い手にも適正価格を設定し、食料難、物資不足を補完する役割を果たしたことは評価できる。ただしいざという時には暴力に訴える点では反社会的組織と断じざるを得ない。尾津さんは政治や警察、財界、地域社会等とも連携を取り、今の反社よりかなりオープンな立ち位置にいたようだ2025/11/28
Nao Funasoko
16
いやはやなんとも豪放磊落エキセントリックな人物であり人生であり。 そんな人物の終焉の地が我が地元だったとはと驚く。地元の郷土史研究会主催の講演会で知り興味深く読了。 組は世襲しないことで組織を維持するってハナシは目鱗だった。2025/06/25
はやたろう
13
よかった。新宿に生きた任侠者尾津喜之助の物語。テキヤでやくざ者で商才があり、政治力がある。こんな大物が少し前の昭和に生きていたことは知らなかった。戦前戦後のごたごたの中で、何かを作り出し、争い、争いを抑え、人の上に立って、金を生み出していく。また、弱者に寄り添い、人助けもする。そのうえ、目立つことも好きな人物。すごすぎる。2025/05/04
makoto018
12
ヤクザのルーツは博徒系とテキ屋系に二分されると知識があったが、後者のイメージはなかなか掴めなかった。寅さんや祭り露店が想起される程度。本書は、終戦後の新宿で闇市を仕切った親分・尾津喜之助を描いたノンフィクション。終戦から5日後、新宿駅前の焼け跡にできたマーケット。敗戦のショックと物不足て呆然とした人々が見たのは、食べ物や雑貨などが溢れる露店。その看板には「光は新宿より」。暴力と癒着により私利を満たしつつも、無料医療所の運営や傷痍軍人、戦災孤児への仕事斡旋など清濁併せ持つその人物像は圧巻で魅力的でもあった。2025/02/15
hitotak
11
敗戦直後の新宿で、「光は新宿より」のキャッチコピーと共に闇市を開いたテキ屋の親分・尾津喜之助の評伝。講談を思わせるような文体で、善と悪、人情と暴力を表裏に併せ持ち、不良少年から大親分に上りつめた尾津の生涯を描いている。闇市開設に奔走する尾津の心中を、行動力と勝負勘、溢れる自信で困難を突破する現代のベンチャー企業経営者になぞらえる箇所には納得した。晩年は越谷の豪邸に自身の銅像を据え、花見や祭りで近所の住民をもてなす地元の名士として生涯を全うした。それも含めて映像化したら面白そうだけど、コンプラ的に難しいか。2026/08/21




