ちくま新書<br> 聞く技術 聞いてもらう技術

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ちくま新書
聞く技術 聞いてもらう技術

  • 著者名:東畑開人【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2022/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480075093

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内容説明

「聞く」は声が耳に入ってくることで、「聴く」は声に耳を傾けること――。「聴く」のほうがむずかしそうに見えて、実は「聞く」ほうがむずかしい。「聞く」の不全が社会を覆ういまこそ「聞く」を再起動しなければならない。そのためには、それを支える「聞いてもらう」との循環が必要だ。小手先の技術から本質まで、読んだそばからコミュニケーションが変わる、革新的な一冊。

目次

まえがき
この本の問い
対話が難しい時代に
「聞く」を回復する
聞いてもらう技術?
いざ、「聞く」の世界へ
聞く技術 小手先編
1 時間と場所を決めてもらおう
2 眉毛にしゃべらせよう
3 正直でいよう
4 沈黙に強くなろう
5 返事は遅く
6 7色の相槌
7 奥義オウム返し
8 気持ちと事実をセットに
9 「わからない」を使う
10 傷つけない言葉を考えよう
11 なにも思い浮かばないときは質問しよう
12 また会おう
小手先の向こうへ
第1章 なぜ聞けなくなるのか
届かなかった言葉
社会に欠けているもの
聞くは神秘ではない
「対象としての母親」と「環境としての母親」
ほどよい母親
「対象としての聞く」と「環境としての聞く」
失敗とは何か
痛みを聞く
聞くのが難しい
首相に友達を
聞くはグルグル回る
第2章 孤立から孤独へ
連鎖する孤独
孤独と孤立のちがい
孤立とはどういう状態か
手厚い守り
個室のちから
メンタルヘルスの本質
他者の声が心に満ちる
安心とはなにか
孤立したひとの矛盾
一瞬で解決しない
心は複数ある
第三者は有利
個人と個室の関係
象牙とビニール
「聞いてもらう技術」へ
聞いてもらう技術 小手先編
日常編
1 隣の席に座ろう
2 トイレは一緒に
3 一緒に帰ろう
4 ZOOMで最後まで残ろう
5 たき火を囲もう
6 単純作業を一緒にしよう
7 悪口を言ってみよう
体にしゃべらせる──日常編まとめ
緊急事態編
8 早めにまわりに言っておこう
9 ワケありげな顔をしよう
10 トイレに頻繁に行こう
11 薬を飲み、健康診断の話をしよう
12 黒いマスクをしてみよう
13 遅刻して、締切を破ろう
未完のテクニック──緊急事態編まとめ
第3章 聞くことのちから、心配のちから
心に毛を生やそう
素人と専門家のちがい
初めてのカウンセリング
2種類の「わかる」
年をとってわかること
それ、つらいよね
世間知の没落
シェアのつながり
世間のちから
世間知と専門知の関係
心配できるようになること
カウンセラーの仕事は通訳
診断名のちから
バカになる
世間知の正体
理解がエイリアンを人間に変える
時間のちから
第4章 誰が聞くのか
対話を担う第三者
食卓を分断する話題
「話せばわかる」が通用しないとき
幽霊の話
聞いてもらおう
第三者には3種類ある
聞かれることで、人は変わる
当事者であり、第三者でもある
聞く技術と聞いてもらう技術
あとがき──聞く技術 聞いてもらう技術 本質編

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ノンケ女医長

155
いろいろな技術が紹介されているのかと思ったが、結局は著者の自叙伝という感じ。ある程度、正直に自己開示されている点は良いとしても、肝心な聞く技法が十分に伝承されているのかどうか、疑問の連続だった。いくつかの実践例が猛々しく紹介されているが、私はいずれも、白々しく感じられ、大切に実行してみたいという気持ちには微塵もなれなかった。内容が「聞く」に集約されているわけではないので、読了感としては曖昧で、残念。2024/06/10

アキ

137
「聴く」ことより「聞く」ことの方が難しいのは、夫婦の会話を例にとってみても実感している(妻に指摘され)。他人の話を聞くためには、まず他人に聞いてもらう経験が必要である。日本の現代社会の根本には孤独の問題がある。内閣官房に孤独・孤立対策担当室が設置され、厚生労働省は「心のサポーター養成事業」を立ち上げた。カウンセラーなどの専門知が有効なこともあるが、世間知で心の問題の多くは解決できる。当人同士に第三者の聞いてくれる人が必要だ。そこに社会が生まれるのだから。聞くことは、ただそれだけのことが苦悩を救う力がある。2023/02/09

こも 旧柏バカ一代

109
聞いてもらうためには聞かないと、聞くためには聞いてもらわないと、、難しい。2022/12/06

ネギっ子gen

108
【ボールのように絶望や孤独を他者に預けられると、心の空いたスペースに小さな希望とつながりの感覚が生じる。人間と人間の間には、そういう神秘が存在する】「聞く」は、声が耳に入ってくること。「聞く」の不全が社会を覆う今こそ「聞く」を再起動し、「聞いてもらう」との循環が必要、と。<【聞く技術 本質編】「なにかあった?」と尋ねてみよう。どうしてもそう言えないときには、聞いてもらうから、はじめよう。【聞いてもらう技術 本質編】「ちょっと聞いて」と言ってみよう。今はそう言えないときには、聞くところから、はじめよう>。⇒2023/07/01

ゆいまある

107
コロナ禍のまっただ中、人々が分断されていた時に生まれた本。難しい内容ではない。傷つけあわない生き方マニュアル。人は攻撃的な言葉を使う時、孤立しているのである。だったら誰かを攻撃する前に誰かに話を聞いてもらい、孤立から抜け出したほうがいい状態でいられる。そして孤立している人を見かけたらちょっとお節介して「どうしたの」と声をかけてあげること。感情が人に渡せるのが健康。一人で抱え込むと病的になる。成程役に立った。東畑さん、ですますより新聞に書いているみたいな「で、ある」調の文章が素晴らしい。天才かと思った。 2023/06/15

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