内容説明
冴えない、裕福でもない、特別な才能もない
平凡な人生を幸福に生きていく――
男たちの新しい生き方のモデルを提示する意欲作
“男らしさの呪縛”から解放されよう!
現在の男性たちには、案外、低く鈍く冴えない人生を幸福に生きていくというモデルがあまりないのではないか?
極端にマッチョな「男らしさ」だったり、家父長制度的な意味での父親像だったり、自己啓発的に勝ち抜けるような男性像だったり、
リベラルでスマートすぎる男性像だったり……
そのような「男」の人生のモデルはあるけれども、それ以外にもいろんな選択肢や「物語」があってもいい。
「ぼくたちもだらだら、まったり楽しんでいい!」
【内容[一部]】
●多数派男性の中の「弱者」たち
●「男性特権」が糾弾される
●男性たちはなぜ不幸なのか
●被害者意識のダークサイドに堕ちないために
●統計にみる日本の男女格差
●男たちのタテマエ、ホンネ、本心
●「すみっコ」としてのおじさんたち
●男たちにもセルフケアが必要だ など
【著者プロフィール】
杉田俊介(すぎた・しゅんすけ)
1975年生まれ。批評家。
自らのフリーター経験をもとに『フリーターにとって「自由」とは何か』(人文書院)を刊行するなど、ロスジェネ論壇に関わった。
ほかの著書に、『非モテの品格――男にとって「弱さ」とは何か』(集英社)、『宮崎駿論』(NHK出版)など。
「対抗言論」編集委員、「すばるクリティーク賞」選考委員も務める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみあき
36
著者の本は初めて。「まえがき」を読んだ時点で、妙に情緒的な語り口に若干引いてしまったし、そもそも私には「いわゆる男性学って所詮、フェミニズムのはしためでは?」という偏見があって、本書に対して虚心坦懐じゃなかったかもしれない。著者は弱者男性たちに向けて、生のつらさが尊厳につながると説いているが、私には単なる言葉遊びとしか思えなかった。「金融資本主義の暴力」という言葉を使ったり、令和テロと昭和維新を比較したりして、結局のところインセルたちを政治的行動に駆り立てたいのだろうか?2022/10/22
katoyann
33
弱者男性が資本主義社会を生き抜いていくための発想の転換方法について考察したエッセイ。現代思想の基本をパラフレーズしながら、インセル(非本意的禁欲主義=非モテ)と呼ばれる男性が他者に誤った恨みを抱かないように生きていくための処方箋を綴っている。結論は、承認欲求抜きに「ただ生きる」ことを肯定するという提案になっている。ただ、結論と各種分析が微妙に噛み合っていないような気がする。例えば、非モテに付随するのは経済格差の問題であり、システムの問題に怒りを表明せよ、と言いつつ、結局、心のありように帰着するのはなぜ?2023/01/03
ゆう
16
駄本。さっさと現実と正対して、「正しく傷つく」でも何でもしたらいいだろう。弱者男性とはつまり、そういうことができない人なのであって、そういう当事者に何を語らせても毒にも薬にもならないということを知った。2024/06/03
hikarunoir
12
妙に禁欲的に進む怯懦。要は錯誤を含むジョーカー言及もだが、暴力への近接に慎重だ。だが文学に暴力が不可欠なら、居直りも弱者男性の真髄に見える。2025/08/11
awe
10
批評家杉田俊介の弱者男性論シリーズ最新作。前作はフェミニズムベースの教条主義的かつ過度に理念的な議論が多いように感じられ、個人的には食傷気味であったが、本作を読んで驚いた。これまでの2冊とは一線を画す、かなり踏み込んだ内容となっていたから。驚いた点は大別して3点。1点目は、「弱者男性」といった言葉を、当事者が引き受け、かれらが積極的に定義し呈示していくべきアイデンティティとしていること。フェミニズムのお決まりのテーゼは、弱者男性という言葉で当事者がアイデンティティ・ポリティクスを行うことは、男性の女性への2022/11/19
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