内容説明
人類のきまぐれな親友ネコ。そのミステリアスな心を覗く!?
世界のネコ好きが大注目のネコ研究最前線。
伴侶動物として不動の人気を誇る、ネコ。
ミステリアスで何を考えているのか分からないのが魅力であるが、その心を覗くことができれば、もっと好きになるかもしれない。
しかし、残念ながら他の動物と比較してネコの認知研究は進んでおらず、その思考能力は過小評価されている。
「好きだからこそ、もっとネコのことが知りたい」という思いから、気鋭のネコ心理学者はこの状況を打破すべく、ネコの特性に適した独自の研究方法(聴覚能力を生かす方法)を考案し、謎に満ちたその心を解明しようとする。
目次
はじめに
第1章 動物はどのように考えるのか
第2章 ネコはどこまで物理法則を理解しているのか
第3章 ネコは声から?顔を思い浮かべるのか
第4章 ネコはどこに?何がを思い出せるのか
終章 ネコの思考能力はどのように進化したのか
あとがき
初出一覧
参考文献
注・巻末図版
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
272
「思考に必ずしも言語は必要ではない」。正直、驚きの少ないお話でした。しかし、これまでは主に飼い主さんなどの経験を元に猫の認知能力を語っていたものを、他者が再検証可能な形で証明し、論文として記述した事に意義が高いのでしょうね。逆に言うと、まだまだ猫の心理、認知や思考能力に関しては、経験的にはなんとなく分かっているけど、研究の形としてはまだまだ余白があるってことですね。研究、論文執筆の過程で知り得た事柄を、一般書の形で落とし込んでくれた有り難み。全体の2/3が本編で、残りは参考文献や補足の図版など。2023/07/03
榊原 香織
79
猫、けっこう頭いいかも。 比較認知科学、猫の研究はあまりされてないそうです。ストレスを与えずに実験を工夫。 少なくとも15分のエピソード様記憶はあるみたいです。 カフェ猫と家猫でも違うみたい(社会経験の差) 2022/12/12
たまきら
40
あっ、これは面白い。ネコ飼いが普段思っている「うちの子は賢い」を、きちんと実験で数値化している真面目な内容です。うちのアカトラは夫のバイクの音がわかるし、来ると必ずおやつをくれていた妹が3年ぶりに遊びに来てもやっぱりおねだりしたし、朝起こす時間は目覚ましが鳴る5分前です。…でも三毛猫の方は全く無関心だし、言葉で理解するというより声色がわかるだけな気がするし。冷静なデータを求める難しさよ…。2023/05/01
k sato
28
ネコの心理学者!?10年に渡る研究成果を博士論文にまとめ、一般向けに本を編集した著者。この研究は、ネコの感情ではなく認知機能に焦点をあてたものである。著者は、ネコが外部刺激によって対象をどのように知覚し、推論し、記憶するのかを調査。カフェネコと飼いネコを比較し、飼い主の声を判別する能力と顔を思い描く能力を検証する実験からは、読者の期待を裏切る結果が示唆された。霊長類の認知行動研究は知られているが、ネコの研究例は希少だ。そのため、実験系を構築することが難しかったと語る。粘り強い研究意欲とネコ愛に感動する。2023/04/09
かめぴ
12
思ってたんと違う凄い。予想からの考察・結果と博士⁈ と著者みると、これの業績により賞獲ってる。おバカチャァわん♪なんて思ってたうちのネコ、ここまで分かってたのね…恥ずかしい。家ネコとカフェネコの違い。あの餌どこ行った?も分かるのね。カラスも凄い。2023/01/14