内容説明
家賃わずか一万二千円の格安アパート、ことだま荘。ここに暮らして奇妙な管理人が提示する謎をとけば、どんな悩みも解決するという――。家族をめぐる問題を抱えてやってきた田中は、ネットで炎上した歌姫、幽霊と同居する男、元・詐欺師の夫婦など、曲者ばかりの住人たちと交流しながら謎の答えを探し、自らに向き合っていく。少し不思議でハートウォーミングな新感覚ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うまる
35
言葉の呪いを祓うアパートの話。おぉーこれは新感覚♪ 各住人の人生エピソードだけだと、普通のハートウォーミングものなんだけど、そこに何の部屋か当てる謎解きを入れたのが斬新。入居者がどんどん入れ替わる所も面白いし、次の話にいく繋ぎの部分の興味惹き具合も巧いです。部屋の住人が入れ替わっても、その部屋の役割は固定というのがよくできてる。一話毎にアパートの図と住人をイメージしやすいアイコンが出てくるので、何号室というのがわかりやすいのも良い! 新101号室で第2シーズンやってほしいなぁ。2022/11/04
mayu
22
「言葉の呪い、祓います ことだま荘」という6畳間の1K、家賃1万2千円は呪いを抱えた放と人々が集まる不思議なアパート。できるだけ住人と交流する事で呪いが消滅する。主人公の田中は相談室という役割を与えられ、住人との交流が始まる。悩みが深そうに見えて急にサッと解決に向かったり、住人に慣れてきたと思ったら退去になったりと調子が狂う不思議な感じだった。呪いが消えて前に進む人達を描いているのに、管理人さんの事情はどうにかならなかったのだろうか。ちょっとモヤってしまったなぁ。2022/11/18
ソラ
15
〇あらすじに記載の通り、確かに少し不思議でハートウォーミング風味はするが、それはけっこう薄味で、最終的には管理人が不気味なままという何かもやもやした感じが強かったかな…。2022/10/30
イシカミハサミ
12
今同じ新潮nexで続いている 河野裕さんの架見崎シリーズが始まった時、 共著でクレジットのあった河端さんの作品。 冒頭にルール説明があって、らしいなと思った。 キャラクターはこういう作品を書く人にありがちな白か黒かで行動する造形。 グラデーションを描き分けられる河野さんとの共著は 理に適ってたんだなと納得。 ミステリー部分さえ面白ければもうちょっと楽しめたんだろうけれど、 読んでいて謎がわかるタイミングと作中で語られるタイミングのずれが大きくて、 どこを切り取ってももう一歩不満の残る作品。2022/12/18
こばゆみ
10
あらすじが書きづらいけど面白かった!管理人から提示された謎を解けば、自らが抱える問題が解決すると言われて入居したアパートで繰り広げられる、入居者に関するあれやこれや。管理人さんが謎を提示するようになった理由はちょっと自分勝手では?と思ったけど、それに至るまでの話が面白かったので大きな欠点にはならずでした(^^)2022/11/21