祝宴

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祝宴

  • 著者名:温又柔【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 新潮社(2022/11発売)
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  • ISBN:9784103547310

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内容説明

「私は、彼女のことを、秘密にしたくないの」。長女が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。戸惑う父は、娘にふつうでいて欲しいと願ってしまう――。日本で外国人として育った娘、外省人の祖父、日本・台湾・中国で生きる父。いくつもの境界を抱えた家族を、小籠包からたちのぼる湯気で柔らかく包み込む感動長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

225
到底我是什么(わたしって一体何なの)?  台湾·中国·日本を往き来する、台湾メーカーの重役楊明虎。家族は日本に住んでいる。父親からの目線で、家族と記憶が交差する。ガイジン、ヨソモノ、そして不正常。アイデンティティやマイノリティを問う、深い感情の襞。台湾の歴史を知る人は、感情を揺さぶられながら、優しい涙の終幕へと誘われることでしょう。2023/01/17

アキ

119
台湾生まれ日本育ちの著者による父親目線から見る父娘物語。主人公の明虎は台湾生まれ、妻と共に仕事のため東京に移住し、長女瑜瑜と次女喜喜を育てた。次女喜喜と歩との結婚の祝宴の際に、両親は瑜瑜からのある告白を聞く。明虎の両親は大陸からの外相人、妻の両親は本省人、自身は台湾語とおぼつかない日本語、台湾訛りの中国語を、娘は流暢な日本語とカタコトの台湾語を話すが、国籍は台湾を選んだ。「ふつう」とは国境、時代、世代によって異なるもの。時を経て父親が瑜瑜の祝宴を開く時、机に家族でいつも食べてきた小籠包の湯気が立ちのぼる。2023/03/24

papapapapal

50
次女の結婚式の夜、「私のパートナーは女性」と長女がカミングアウト。日本に妻子を残し台湾上海日本を舞台に仕事をしてきた父親が、アイデンティティやマイノリティ、家族の歴史に想いを馳せる物語。 大陸出身の両親のもと台湾で育った彼が、純粋な台湾人の妻と結婚する時に感じた視線。台湾人として日本で育った成績優秀な娘が、学校や社会で感じてきた視線。長女が使った「不正常」という言葉にショックを受けつつ、娘には「正常」を求めてしまう父親の心の葛藤を丁寧に描く。正常とは。2023/01/22

ヒデミン@もも

50
淡々とした文章がとてもいい。温又柔さんの作品は台湾生まれ日本育ちのご自身のアイデンティティを追求してるように感じる。今作では主人公が大陸生まれで台湾に来て、生粋の台湾人である妻と結婚にあたり差別を受けるとか、その子ども達が日本で受ける差別であるとかが淡々と描かれる。その差別的な考えに苦しんできた主人公が自分の心の中に同じものを感じる辛さ。ラストにやっと表紙の美味しそうな小籠包が出てきて私の心も落ち着く。2023/01/21

ぶんこ

48
異国の地で暮らす人、その人から生まれて、そこで暮らし続けている人。こういう人々の周囲からの『外人』『正常でない不正常』と呼ぶ純粋?現地人。こういった題材を扱った小説やエッセイを読んできましたが、今回ほど胸に響いた作品はなかったです。偶然台湾旅行時に「台北ニニ八紀年館」を訪問した時に、年配の男性が詳しく説明してくださり、強烈な印象を受けていたからか、台湾人が大陸から来た中国人に特別な感情を持っていることを肌で感じていたからかもしれません。瑜瑜さんの「自分はいったい何?」と悩み、同性を愛して悩むのが切ない。2023/02/21

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