内容説明
小学校5年の眠人は、昼間から酒に溺れる父を避け、夜まで公園で過ごす毎日。唯一の理解者は、家庭に事情がありながら元気に過ごす同級生の竜征。ある日、公園の東屋に女子高生が来て、三線という沖縄の楽器を弾き始めた。眠人はその音色に魅了される。彼の人生に新しい風が吹いた瞬間だった。「ぼ、ぼ、ぼくに三線を教えてくれませんか? 弾けるようになりたいんです」――出会いと別れ、友情と恋、進路と自立。理不尽な現実に立ち向かうあなたの心に沖縄民謡のしらべがやさしく沁みる、青春小説。
目次
第一章
第二章
第三章
第四章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
39
面白かったです。父親を避けるように夜まで公園で過ごす眠人が三振と出会い、成長していく物語でした。音色に魅了されていくことは眠人の中に新しい何かが生まれたということでしょうね。理不尽なこともあるけれど、癒されることも多いと教えてくれるような青春小説でした。2023/12/28
たぬ
21
☆4.5 すごく良かった。主人公は眠人だけど竜征もさくら子も、春帆もみんな主人公のように丁寧に描かれていた。子供の頃はどうしようもなかったことが成長するにつれてできるようになる。別の方法を見つけられる。自分なりに消化できるようになる。仲間っていいな、青春っていいな。時には泣きそうになりつつ読み終えた。2023/02/01
陽ちゃん
5
酒浸りの父親を避けるために夜まで公園で過ごす11歳の眠人が、紆余曲折を経て23歳になるまで。父親が酒とパチンコに逃げるため家にお金がなく、同級生を避けがちな眠人の唯一の友達である竜征、眠人に三線を教えてくれて「逃げてくるんだよ」と言ってくれた女子高生の春帆、眠人たちの同級生で恵まれた容姿を持つも超あがり症のさくら子、公園で知り合った人たち、そして、高校で出会ったスミレ。彼らのお陰で闇から抜け出し健全な大人になったんでしょうね。これから、存分に人生を謳歌してほしいな。2022/11/04
Nori
3
家庭に事情がある少年が三線と出会い少しずつ変わっていき、成長していく連作短編集。すごく心に響く物語でした。作中にあるように、線を引くような人間にはなりたくないし、線を引かれてもそこを越えていけるような人間になりたいと思う。それがどんなに難しくても。そしてハッとさせられたのが「逃げていいんだよ」と「逃げてくるんだよ」の違い。僕もその言葉をいうときは「逃げてくるんだよ」と言える人間でありたいと思う。2023/03/18
Kuny
2
眠人はとても辛い境遇だったけど竜征や春帆やスミレ達との出会いで救われた。 辛い境遇で未来が見えない中、いい出会いによって成長して行く姿に心が温かくなった。2022/11/07
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