講談社選書メチエ<br> 中国パンダ外交史

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講談社選書メチエ
中国パンダ外交史

  • 著者名:家永真幸【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2022/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065297278

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内容説明

ちょうど50年前の1972年10月、日中友好の証として、上野動物園に2頭のパンダがやってきた。しかし、中国がパンダの外交的価値に気づいたのは、1930年代にさかのぼる。戦争と革命、経済成長の激動の歴史のなかで、パンダはいかに世界を魅了し、政治利用されてきたか。パンダを主人公にこの100年あまりを読み直す、異色の中国近代外交史。
19世紀の半ば、パンダはあるフランス人宣教師によって「発見」され、世界に紹介された。欧米人探検家が初めてパンダを射止めたのは1929年。日中戦争下の1941年には、蒋介石の妻・宋美齢が懐柔策としてアメリカにパンダを贈る。1949年に成立した中国共産党政権も、この珍獣の価値を見逃さなかった。人民の愛国思想を育むために北京動物園で展示を始めたほか、モスクワや北朝鮮に贈呈され、ロンドンでも大歓迎される。
日本でのパンダブームは、1972年のランラン・カンカンの来日以前に始まっていた。1970年創刊の『anan』ですでにマスコットとなり、1971年10月にはロンドン動物園でパンダと対面した昭和天皇が満面の笑顔をみせるさまが報道された。
中国はその後も、国際政治、地球環境などさまざまな問題と絡ませながら、近代国家の自己像をパンダを通して国際社会にアピールし、近年では、一帯一路構想下でのパンダの送り先や、二度の北京五輪で採用されたパンダのキャラクターなど、その利用はますます巧みになっている。
2011年刊の『パンダ外交』(メディアファクトリー新書)を全面改訂し、新章を加筆。

目次

はじめに
第一章 パンダ、世界に発見される
第二章 パンダ、他国に贈られる
第三章 パンダ、冷戦に巻き込まれる
第四章 パンダ、日本にやってくる
第五章 パンダ、外貨を稼ぐ
第六章 パンダ、大国を代表する
おわりに
主要参考資料
索引

目次

はじめに
第一章 パンダ、世界に発見される
第二章 パンダ、他国に贈られる
第三章 パンダ、冷戦に巻き込まれる
第四章 パンダ、日本にやってくる
第五章 パンダ、外貨を稼ぐ
第六章 パンダ、大国を代表する
おわりに
主要参考資料
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

68
とても興味深い。 1869年、フランス人神父により”発見”。  パンダカップルのレンタル料1年1億円。 戦中、外交で宋美齢がアメリカに送る。当時日本の新聞はレッサーパンダの写真を載せて揶揄(記者はパンダという動物を知らなかった)2023/04/11

nnpusnsn1945

45
中国の国宝とされるパンダを使用した外交を解説している。欧米人の狩りの標的から保護対象へと変わり、日中戦争から政治の手段として利用されるようになった。政治の大局を大いに動かす訳では無いが、ソフトな外交手段としては今だ健在である。近年は北京冬季五輪のキャラクターで注目を集めた。日本人アナウンサーのキャラに対する愛情は本国にも伝わり、実際百度にも掲載されている。2022/12/31

たまきら

42
読み友さんの感想を読んで。中国という国の外交力には、香港返還協定について高校生の時先生が説明してくれたときに「すげえ!」と思ったのですが、パンダという世界が魅了されている動物をフル活用した外交の歴史をまとめているこの本はさらに読みごたえがありました。単なる批判だけではなく、パンダを貸し出すシステムがパンダの保護や繁殖計画に有意義化という説明にはなるほど、と思いました。まあトップはわからないけれど現場は実直な人たちが努力されているんだろうなあ…。一読の価値がある本です。2023/04/15

姉勤

36
著者の苦衷が端々に垣間見える。羅列した現象が「何か」に紐付けされない様にと。チャイナがパンダを外交カードやイメージ戦略として利用していった解説。1930年代の戦前の西洋人のパンダの発見、動物愛護の機運と欧米へのパンダの持ち出しと、戦中のプロパガンダに利用され、戦後の欧米のパンダ人気も輸入された日本の背景も。それに気づいた中共が、現代までそれを濫用する事となった。その効果は絶大であったが、パッケージの中身が知れ渡ってきたのはオールドメディア以外は既知の通り。友好の架け橋には反論しないが、何を以ての友好か。2025/07/12

山口透析鉄

26
パンダが西洋人に発見されて動物園等で人気になって中国の外交で使われるようになっていく様子が簡潔に述べられています。これも市の図書館本で、以前メディアファクトリー社から出た本に補記して加筆しているようです。 密猟の横行から絶滅危惧種、ワシントン条約の対象となり、パンダ貸与によるビジネスと外交の手腕、なるほど半植民地化されていた中国大陸も時期に応じて巧みに利用はしています。 パンダの人気はグールド先生の分析通りでしょう。ドラえもんも等身が低い方が人気が出ていますし。 都知事の慎太郎が尖閣諸島で余計なこと↓↓↓2025/04/03

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