内容説明
中国仙人伝の双璧。前1~4世紀頃に成立。時間を超えて永遠の若さと生命を保ちつつ無限の自由を求める仙人、人類の根源的夢想の体現者の自由でユニークな姿を活写する。解説=井波律子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
6
中国に伝わる仙人伝説を銘々伝の形でまとめた二著の合本。不老不死をはじめ、人間を超えた存在への憧れが如何に各地で各様に語られていたかを瞥見できる。日本にはその成立根拠である道教が部分移植されたに過ぎなかったとはいえ、暮らしに根ざしながらもダイナミックな超人物語は大陸的な広さ・大らかさの所為と感じざるを得ない。生活圏から容易に姿を消すことが出来る土地的な広がり・大きさとも密に関係しているのだろうし。2021/03/19
本とフルート
4
中国文化に興味が出てきた一環で、読んでみた。並行して僕僕先生シリーズを読んでいたのもあって、名前を聞いたことのある神仙も出てきたりと、自分の中で結びつくと充実感がある。中国の古典は今まで全くノータッチだったので、他のものも読んでみたい。2021/02/01
小心
2
社寺彫刻に取り上げられている仙人が何人か載っているので読みました。今まで何度も読みかけて、途中で挫折してきた本。ようやく完読できて一仕事終えた気分。次は捜神記の再読。2020/05/23
スプリント
2
似たような列伝が多くて区別がつかなかったです。不老長寿のために仙人にならんとする人々と実際に仙人になった人とのかかわり合いが多かったです。漢の武帝が頻繁に登場します。2013/09/07
momen
1
様々な仙人のエピソードをまとめた小話集。具体的な歴史人物から普通の市民まで色々な人を仙人であるとしており、穀物を断ち無機物や特殊な薬を食し修行を行うことで数百年も生きる・死んでも復活する・不思議な術で人を助け貧民に施しをする・王と対話し知識を授けるなど細々とした生活感のある話が多い。解説によると成立年代がバラバラの話を後世に寄せ集めたような構成のようだが、民衆が仙人という存在に仮託した憧れの生き方や世界、当時の民間療法など諸知識が透けて見え面白い。2025/10/14




