楳図かずお論 - マンガ表現と想像力の恐怖

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楳図かずお論 - マンガ表現と想像力の恐怖

  • 著者名:高橋明彦
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • 青弓社(2022/09発売)
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  • ISBN:9784787292285

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内容説明

楳図かずおの作品に通底する恐怖・子ども・母といったモチーフを主題論・作品論・表現論・文献学を総合して読み解き、恐怖マンガの巨匠と称され、多くのマンガ家たちからの尊敬を集めながらも、一面的に批評されがちな楳図作品の評価をくつがえす大著。

目次

はじめに――楳図かずおと世界の秘密

第1章 楳図かずおの恐怖概念
 1 「恐怖マンガ」成立以前(1)――民俗性・怪奇性
 2 「恐怖マンガ」成立以前(2)――幻想性
 3 「恐怖マンガ」成立以前(3)――統合
 4 恐怖マンガ「口が耳までさける時」の恐怖と怪異
 5 恐怖モチーフ変遷説の再検討
 6 楳図かずおの認識論――恐怖とギャグの同質性
 7 《楳図神学》の存在論

第2章 わたしは真悟、内在する高度
 1 視覚体験としての高度(1)――東京タワー
 2 キカイからニンゲンへ(1)――内在的な平面
 3 視覚体験としての高度(2)――岩のドーム
 4 キカイからニンゲンへ(2)――ロボットの存在論
 5 ナレーションが仮想する未来の一点

第3章 子どもと暴力――「子供は遊んでばかりいたのかな?」
 1 『鉄コン筋クリート』における子どもと暴力
 2 暴力と他者
 3 言葉の啓示的機能
 4 子どもの隷属と自立
 5 「Rojin」――動的な視点変化
 6 「子供は遊んでばかりいたのかな?」

第4章 洗礼、その身体と記憶
 1 身体改造の系譜
 2 ストーリーの破綻や亀裂
 3 破綻はどこにあるのか(1)――日次のミス
 4 破綻はどこにあるのか(2)――鏡像の混乱
 5 テクストの二重性(1)――移植文脈と妄想文脈
 6 テクストの二重性(2)――破綻と見なされる原因
 7 最大の問題、記憶(1)――公然の秘密説
 8 最大の問題、記憶(2)――メビウス的な架空の起源
 9 母と娘の同一性、および和解について

第5章 ぬばたまの夢やは実在を思はする神の左手悪魔の右手――楳図かずおと世界の創造
 1 観念と実在の対立のなかで
 2 危機、あっけなく去る危機
 3 稚拙で自己中心的な予定調和
 4 夢のリアリティー、二つの可能性
 5 夢見ているのは誰なのか
 6 おぞましい子どもたち
 7 ぬばたまの絵本、フィクションと夢
 8 プラトニズムとその権化、影亡者

第6章 タマミの御霊――『赤んぼ少女』と鎮魂の問題
 1 諸本について
 2 タマミはモンスターである――誘導される読解
 3 タマミは悪魔である――かたちとこころ
 4 ホラー的展開の本質(1)――進行形と完了形
 5 ホラー的展開の本質(2)――現実と幻覚の境界
 6 十分な理由(1)――「タマミは女の子です」
 7 十分な理由(2)――秘密、知ることの衝撃
 8 本作における差別的契機――家族について、作者について
 9 ネガティブな気持ちを乗り越えていくこと
 10 完璧な子ども、聖なる暴力
 11 鎮魂のかたち――象徴化と個体化

第7章 楳図かずおのコマ割り理論
 1 マクラウドのコマ割り理論
 2 夏目房之介のコマ割り理論
 3 画面意識の実例――石森章太郎
 4 峠あかねのコマ割り理論
 5 楳図かずおと反復型
 6 楳図自身によるコマ割り理論
 7 画面意識の実際――楳図かずお

第8章 マンガにおける二つの省略――マンガ表現論の構造
 1 コマ割りによる運動表現
 2 コマ分類とショットの切り替え
 3 メッツによる映画の大連辞分類
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

hikarunoir

7
リサイクル原稿も多いからか構成や無関係の作者の作品との対比よりも深い作品論を読みたかった。代表的な長編を読破していないなら手を出すのは危険。2021/12/20

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