内容説明
後期ウィトゲンシュタインとオースティンの著作に代表される日常言語哲学のアプローチを擁護し、現代分析哲学が陥っている混迷がこのアプローチを軽視する言語観に根ざしていることを指摘。伝統的な反対論から最先端の現代認識論や実験哲学までがこの言語観を共有していることを明らかにし、哲学的困難を解消する別様の道を指し示す。
目次
日本語版への序文
はじめに
序 論
第1章 基本の対立──さしあたっての特徴づけ
1 くりかえされる日常言語哲学への攻撃、そして意味の普及版概念
2 証拠物件1──ストローソンの真理論
3 方法論的な所見──日常言語哲学と「意味」の意味
4 証拠物件2──オースティンの「他人の心」
第2章 日常言語哲学批判の中心的議論
1 サールによる、会話の可能性からの議論
2 「フレーゲ‐ギーチ」議論
3 ソームズの、新しい文を適用・理解する私たちの能力からの議論
4 まとめの所見
第3章 哲学は、直観に依拠しなければならないのか?
1 舞台設定──普及版概念と直観の弁証論
2 ゲティア的ケースに遭遇するとは、どういうことなのか?
3 なぜ「直観」か?
4 哲学は、直観に依拠しなければならないのか?
第4章 文脈主義と、知識という重荷
1 舞台設定──文脈主義、アンチ文脈主義、そして真偽を問う理論的な問い
2 トラヴィスの「冷蔵庫のミルク」事例と、負債としての知識
3 見積もりを行う
第5章 文脈主義、アンチ文脈主義、そして保証を与える立ち位置にいることとしての知識
1 デローズの「銀行」事例
2 コーエンの「空港」事例
3 スタンリー版の「銀行」事例
4 「箱のなかのカブトムシ」としての理論家の知識
結 論──懐疑論と、(意味論的に純粋な)「知識」の弁証論
エピローグ──日常言語哲学、カント、そしてアンチノミー的思考の根
原 注
訳 注
謝 辞
訳者解説
訳者あとがき
文献一覧
索 引
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