言葉が呼び求められるとき - 日常言語哲学の復権

個数:1
紙書籍版価格
¥4,730
  • 電子書籍

言葉が呼び求められるとき - 日常言語哲学の復権

  • 著者名:アヴナー・バズ/飯野勝己
  • 価格 ¥4,730(本体¥4,300)
  • 勁草書房(2022/10発売)
  • ポイント 43pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326103041

ファイル: /

内容説明

後期ウィトゲンシュタインとオースティンの著作に代表される日常言語哲学のアプローチを擁護し、現代分析哲学が陥っている混迷がこのアプローチを軽視する言語観に根ざしていることを指摘。伝統的な反対論から最先端の現代認識論や実験哲学までがこの言語観を共有していることを明らかにし、哲学的困難を解消する別様の道を指し示す。

目次

日本語版への序文
はじめに

序 論

第1章 基本の対立──さしあたっての特徴づけ
 1 くりかえされる日常言語哲学への攻撃、そして意味の普及版概念
 2 証拠物件1──ストローソンの真理論
 3 方法論的な所見──日常言語哲学と「意味」の意味
 4 証拠物件2──オースティンの「他人の心」

第2章 日常言語哲学批判の中心的議論
 1 サールによる、会話の可能性からの議論
 2 「フレーゲ‐ギーチ」議論
 3 ソームズの、新しい文を適用・理解する私たちの能力からの議論
 4 まとめの所見

第3章 哲学は、直観に依拠しなければならないのか?
 1 舞台設定──普及版概念と直観の弁証論
 2 ゲティア的ケースに遭遇するとは、どういうことなのか?
 3 なぜ「直観」か?
 4 哲学は、直観に依拠しなければならないのか?

第4章 文脈主義と、知識という重荷
 1 舞台設定──文脈主義、アンチ文脈主義、そして真偽を問う理論的な問い
 2 トラヴィスの「冷蔵庫のミルク」事例と、負債としての知識
 3 見積もりを行う

第5章 文脈主義、アンチ文脈主義、そして保証を与える立ち位置にいることとしての知識
 1 デローズの「銀行」事例
 2 コーエンの「空港」事例
 3 スタンリー版の「銀行」事例
 4 「箱のなかのカブトムシ」としての理論家の知識

結 論──懐疑論と、(意味論的に純粋な)「知識」の弁証論

エピローグ──日常言語哲学、カント、そしてアンチノミー的思考の根

原 注
訳 注
謝 辞
訳者解説
訳者あとがき
文献一覧
索 引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Bevel

6
著者の主張は共感するけど、戦略みたいなのはすっきりしないなと思った。指示・表象を前提とした真理条件的意味論を言語の本質とする考え方は根拠がないし、派生する哲学的直観や知識論の分析も行き詰まっていると。なので、軽視されてる語用論と真理条件的意味論の優先順位を逆転させようというのが大まかな主張。けど、もしそうなら例えばグライスやサールの共闘できる側面を取ってきてもよかったんじゃないかしら。絶対勝てない相手を前に捻くれた書き方をするのでなくて、著者から見える語用論の系譜をもっと打ち出してよかったのではと。2025/01/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19566696
  • ご注意事項

最近チェックした商品