出版社内容情報
明治5年、衣冠直垂に代わり「フロックコート」を礼装とした太政官布告は、天皇巡幸、陸軍特別大演習という国家行事参加者への服装規定という形で国民に周知されていった。昭和に至るまで礼服定義に裁量権を持ったのは宮中であったこと、礼装規範の形成過程が天皇を中心とした日本の近代国家の歩みに連動していたことを膨大な資料から実証する。
内容説明
男性はモーニング、女性は白襟で裾模様の紋付の着物。洋装と和装がミックスした日本的「礼装」の起源とは。国民国家形成と礼装規範の連動を描く。
目次
序章 モーニングと裾模様の着物―日本的礼装はどのように決まったのか
第1章 礼装は宮中が決める―近代日本における新服制の制定と礼装事情
第2章 フロックコートとシルクハットの紳士像―「通常服」「黒高帽」という国家の服装規定
第3章 庶民の礼服「紋付羽織袴」―通常礼服(燕尾服)に起因した礼服問題
第4章 「白襟紋付」が貴婦人を作る―一般女子の礼装規範と国家の服制
終章 近代化の遂行と礼装規範―近代日本の国家体制と天皇制
著者等紹介
小山直子[オヤマナオコ]
1958年生まれ。服飾史研究家(近代日本服飾史)。お茶の水女子大学大学院家政学研究科修士課程修了。博士(人文科学)(お茶の水女子大学)。これまで、お茶の水女子大学ジェンダー研究センター客員研究員や宇都宮大学、放送大学、お茶の水女子大学、昭和女子大学の非常勤講師、日本家政学会論文誌編集委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あけの
kenitirokikuti