格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

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格差の起源 なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか

  • ISBN:9784140819111

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内容説明

究極の謎を解き明かし、未来への指針を示す!

30万年近く前にホモ・サピエンスが誕生して以来、人類史の大半で人間の生活水準は生きていくのがぎりぎりだった。それが19世紀以降に突如、平均寿命は2倍以上に延び、1人当たりの所得は地球全体で14倍に急上昇したのはなぜか?この劇的な経済成長の鍵は“人的資本の形成”だったことを前半で説く。それを踏まえて後半では、なぜ経済的な繁栄は世界の一部にとどまり、今なお国家間に深刻な経済格差があるのかを検討する。
制度的・文化的・地理的要因に加え、“社会の多様性”が根源的な要因だったと論じる。人類史を動かす根本要因に着目した“統一理論”にもとづいて、究極の謎を解き明かした世界的話題作!

人類史の二つの謎
第1部 何が「成長」をもたらしたのか
最初の一歩/停滞の時代/水面下の嵐/蒸気エンジン全開!/停滞から成長へ/約束の地
第1部のまとめ――成長の謎を解く
第2部 なぜ「格差」が生じたのか
光と影/制度の痕跡/文化的な要因/地理が落とす影/農業革命の遺産/出アフリカ
第2部のまとめ――格差の謎を解く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

125
ずっと一定の生活水準を保ってきた人類が、19世紀初頭に突然、持続的経済成長の時代に入ったのはなぜかと問う。マルサスの停滞と現代の経済成長を一つの「統一成長理論」として説明しようというのが著者の趣旨だが、(私の理解力の乏しさが原因だが)うまく納得できない。格差の要因として、地理的条件、農業革命の遺産、人的資本への投資、民主的な社会制度、社会の多様性などの要素が考察されているが…。本書では地域間・国家間の格差が扱われているが、現代では、一つの社会の中での階層的な不平等が生む分断が顕著になってきている気がする。2022/12/19

パトラッシュ

122
人類が教育と技術の進歩でマルサスの罠を脱し、生活を向上させる成長をもたらしたとする前半部は納得できた。戦争やパンデミックを重ね多くの犠牲を出しながら脳の進化と環境への適応が進み、人口増を賄える農業や工業を発展させたのは間違いない。そうした進歩の恩恵は平等には行き渡らず、植民地支配や制度的地理的要因から今日に至る矛盾と不平等の原因となったところまでは後半も理解できた。しかし先行者利益も消滅した後の発展するため移民による多様性を重視するのは、異なる文化が同一地域で平和共存する能力を信用できない点で疑問が残る。2023/02/16

徒花

107
まあまあ。人類の進歩と国家間の格差が生まれた背景について、それらを統括する統一理論を作り上げたぜ!って大上段に構えた一冊なので期待したけれど、ちょいちょい「それはジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』で読んだ」というような内容もありつつ。それより興味深いのは、個人ベースで格差が生まれる過程について、マルサスの人口論にもとづきながら子どもの数と教育(人的資本の投入)が貧富の差を分けるってところ。これはまるで福沢諭吉の『学問のすゝめ』をロジカルに解説しているような感じがしておもしろい。2023/02/24

よしたけ

63
人類発展歴史を俯瞰、その後如何に格差が生まれたのかを考察。地理的な特性と人口集団多様性が格差の要因。欧州や北米では成長を促すような地理や人の多様性から、文化の特性や制度の特徴が環境に迅速に適応し、技術進歩が加速化し、人的資本の需要爆発が引き起こされ、出生率が急落して成長の時代への移行が始まった。他方、中国やオスマン帝国では地理や多様性と文化や制度の相互作用のせいで社会発展が遅れた。近代以降の発展の鍵は、技術革新の驚異的な加速、大衆教育の登場、児童労働の撤廃、そして女性の社会進出と出生率の低下だと分析する。2023/04/14

ひこうき雲

60
「統一理論」とか、出アフリカに始まる「多様性」とか難しいこと書いてるけど、今の国家間の経済的格差は、工業化への移行ペースの違いだけじゃないかと思います。2023/02/23

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