内容説明
世界中の映画祭で喝采を浴びたドキュメンタリー映画『選挙』や『精神』。「観察映画」というユニークな手法を実践する気鋭の映画作家が、いかにして、そしてどのような哲学のもとにドキュメンタリーを撮り、編集し、公開し、経済的にサバイバルしているのか。受講者と共にインタラクティブな形式で語る。ドキュメンタリーとは、世界を切り取り、その断片を再構成することで、作り手の見方や体験を観客と共有する芸術様式。ドキュメンタリーの作り方と哲学を通じて、読者に新たな「世界の見方」のヒントを提示する。
目次
はじめに
第1講 自分の方法論を育てる
第2講 観察映画『選挙』を観察する
第3講 撮影……唯一無二の「時間」を撮る
第4講 編集……過去を現在から解釈する
第5講 ドキュメンタリーに“安全な観覧席”はあるか
第6講 経済的な独立性が映画を守る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
9
実はちゃんと想田さんの作品は見ていないんだけどドキュメンタリー好きには気になる存在。そんな氏が講師となってドキュメンタリーの作り方をレクチャーする内容。実際の講義からのまとめになっているので読みやすいしカメラの撮り方から編集まで独立してドキュメンタリーを撮り続けるためのノウハウや具体的なコスト計算に宣伝の方法までも惜しげなく紹介しているのには驚かされる。デジタル革命についてはついネガティブに考えてしまうのだけれどこうした小予算で思いの丈をぶつけられる作家はなかなかいないし実に頼もしい。早速DVDも借りよう2015/09/17
Book Lover Mr.Garakuta
7
図書館本:難しかった。カメラの事について少し知識が増えた。2019/01/20
Mark.jr
4
事前にリサーチをせずに、一人で撮影を行い、またナレーションもつけない、純ドキュメンタリーとも言える観察映画を撮り続ける監督・想田和弘氏。そんな氏の撮影の極意をレクチャーしたのが本書です。自分がこの本を面白く読んだのは、そもそもドキュメンタリーにあまり詳しくなく、新しく知ることの連続だったというのもありますが、優れたドキュメンタリーが撮影対象の本質に迫っているように、本書もまたドキュメンタリーの何が面白いのかという本質迫っているからだと思います。ただ、この撮影方法は才能と技術がないと成り立たないでしょうね。2026/07/08
no_hi
4
観察映画をどう撮るか、心構えから、撮影前の準備、撮影方法、被写体との関わり方、カット割り、プロモーション、制作費、利益率まで、具体的に語られる。ドキュメンタリーを撮るひとだけでなく、フリーランスでビジネスをしている人、何らかのプロジェクトを任されている人などにも非常に参考になる内容。2016/03/13
Amano Ryota
3
映像を作ることとは、縁の無い生活をしていますが、著者の想田さんが「観察映画」を撮影する過程で考えている、モノの見方、モノの捉え方が、何か真に迫っていて、素人である僕にも、非常に面白く読むことが出来ました。言葉で説明するのが難しいのですが、本書は、観察映画を撮影するための方法論であると同時に、映画を撮影する個人にとっての世界の見方とは何か、また、映画を観る観客にとっての世界の見方とは何か、そして、僕たちが世界を“見る”ということは、どういうことなのか、何かそういう根源的な問いに触れているような気がします。2015/07/25
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