内容説明
第一級の哲学テキストであるプラトンの『国家』。本書では、人間とは何かという問いが『国家』を貫く縦糸となっており、そこに正義とは何か、哲学とは何かという問いが絡んでくることを指摘。これらの問いにプラトンがどう答えているのかを読み解き、それに自分がどう答えるのかを考えることが『国家』を読むということだと論じる。
目次
はじめに
第一章 『国家』を読む難しさ
1 何が難しいか
2 『国家』篇の概略
第二章 『国家』篇の構想
1 構想の要としての「人間の話」
2 議論をどう組み立てたか
3 「方法」の問題
第三章 問題を解く道筋
1 「正義とは何か」という問題
2 「別のもっと長い道」
3 「実践優位」の考え方
4 哲学をめぐる問題
第四章 問題はどう解かれたか
1 哲学者と国家
2 「複雑で多面的な生き物」
3 「魂の一性」
4 正・不正と幸・不幸
結びに代えて
註
参照文献
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Fumitaka
1
『国家』では「人間(幸福、正義)とは何か」という主題が最後まで貫かれているとして、かの著作を平易に解説してくださっている。プラトンの問題設定は後世の人間が思うよりも広く深く設定されているとか、あるいは逆にどこまで設定されていないか、というのは確かにただ読むだけでは見落とされがちで、僕は完全に素人ながら、あの本を読みこむ上での「指導者」になっていただけたと思います。後世のプラトン評価がアリストテレスにある程度引っ張られているのではないかという指摘は興味深い。あと『第七書簡』、遂に偽書認定が出されたんですか。2022/01/31
moggadeet
0
熊大におられたせんせい。古典ギリシア文献学じたいにどれだけ精通されているかわからない。イデア論のような形而上的見立てや神義論、コスモゴニアをばっさり切り捨ててしまっていて、ほんとうにその読みでいいんだろうかと不安になる。というか、不安にならないものなんだろうかと思う。2024/10/11
アトラス書房
0
まえがき)もともと、プラトンの対話篇は、専門家向けに書かれたものではありません。『国家』もそうです。しかし、普通の言葉で書かれてはいますが、恐ろしく高度な内容が含まれています。だから、「跳ね返された」とか「太刀打ちできなかった」ということにもなるのだと思います。それに、そうでなければ「第一級の哲学のテキスト」とは言えません。この小著が、適切な道案内の役割を果たすものとなることを願っております。2023/12/12
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