内容説明
夢の中では間抜けな“蜥蜴のビル”になってしまう大学院生・井森建。彼は郷里に帰省して小学校時代の同窓会に参加する予定だったが、駅前の食堂で気絶してしまう。そして失神中に見た夢の中で、活発な少年ピーター・パンと心優しい少女ウェンディ、妖精ティンカー・ベルらに遭遇し、ネヴァーランドと呼ばれる島へ行くことになる。だが、ピーターは持ち前の残酷さで、敵である海賊のみならず、己の仲間である幼い“迷子たち”ですらカジュアル感覚で殺害する、根っからの殺人鬼であった。そんなピーターの魔手は、彼を慕うティンカー・ベルにまで迫り……『アリス殺し』シリーズ第4弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
koma-inu
42
メルヘン殺しシリーズ4弾。夢の中ではトカゲになる主人公、今回はネヴァーランドへ。ティンカー・ベル殺害犯をピーター・パンと探す。ピーターの傍若無人ぷりが半端ないが、原作もそんな感じなんですね🙃冒頭で犯人が分かる倒叙形式風ですが、そこは小林さんらしい仕掛けがたっぷり。また、現実世界でクローズドサークル下の事件が並行で進み、夢の中の事件との合流が圧巻。犯行の隠蔽、真の動機がお見事、ミステリ要素はシリーズ随一。『かぐや姫殺し』『赤毛のアン殺し』が続編構想あったとの事で、とてもとても期待と哀しみ一杯です😭2025/12/14
キナコ
40
積読本の一冊。シリーズものもこれで終わりかと思うと寂しい。原作もアリス殺しの合間に起こった別の殺人事件。殺人鬼のピーターパンが出てくるが、会話が成り立たなすぎて怖い。残酷描写も今までの中で一番かも。殺される理由が理由だけに誰も救われなかったかな。後半にかけての犯人の追い詰め方がえげつない。2025/02/19
おうつき
29
シリーズ4作目。原作のピーターパンは残虐な一面を持っているというのはどこかで聞いたことがあるが、想像以上にヤバイ奴として描かれていて笑ってしまった。とぼけた会話を繰り広げるビルとの相性は抜群で、これまで以上に会話の空気感が楽しかった。ミステリ的な仕掛けもこの世界観ならでは(というよりこの世界観でしか通用しない)もので、意表を突かれた。今後の構造があったことを知ると、やはり続きを読めないことが寂しくなってしまった。2023/04/02
こゆ
27
年内最後の一冊は友人からの借り本。メルヘン殺し最新刊は、ピーターパンに出てくるティンカーベル。シリーズ毎度のことだけど、知っているようであまり知らない物語。このピーターパンはあの蜥蜴のビルよりおバカなのに、倫理観がぶっとんだ殺人鬼。それはどうやら原作通りなのだとか。地球(井森)側がクローズドサークルなのも珍しい。アーヴァタールにはかなり注意してたつもりだけどまたもしてやられた。苦手な痛々しくグロい描写が今作でも炸裂。最後のループはあっち側の人が可哀想すぎる…。ビル達の進まない会話に苛々する時もあるけど、→2023/12/31
二葉
24
まんまと騙された!ティンカー・ベルを殺したのは〇〇だったんだね。唐突な熊の襲撃がラストの伏線だったんだね。2023/05/02
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