手数料と物流の経済全史

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手数料と物流の経済全史

  • 著者名:玉木俊明【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 東洋経済新報社(2022/09発売)
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  • ISBN:9784492681503

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内容説明

何もしなくても「手数料」を得られるシステムを構築した国家が覇権を握る。出アフリカから現代までの「プラットフォーム」経済全史。

覇権国家とは、何もしなくても収入が得られる国である。
多くの国は、覇権国家が形成したシステムを使用しなければならない。
それは、いわば「ショバ代」であり、国際的な経済活動に参入するために国家はショバ代を払わなければならない。それが有史以来続いてきたシステムである。
そのシステムは、資本主義の形成によって明確な形をとるようになった。近世のオランダによって明確になり、近代のイギリスによって完成した。アメリカの覇権はイギリスのそれの変形版である。
一方、中国は一帯一路により、これまでとは違った覇権を形成しようとしているように思われる。だが、それは世界の「物流」の中心となることを目指した政策である。「自動的」に利益が得られる仕組みを作り出せてはおらず、覇権国家としての中国は成立し得ないのではないだろうか。ただ、ロシア・ウクライナ戦争以後、ロシアとの「ユーラシア覇権国家連合」形成により、その結論は変わりうる可能性がある。
手数料と資本主義という枠組みから世界史を捉えなおし、覇権国家の成立条件について論じる。

目次

序章 プラットフォームをつくる権力者たち
第1部 文明の形成からイスラームの拡大まで
第1章 出アフリカからメソポタミアの覇権
第2章 地中海世界形成とギリシア人、ローマ人、とくにフェニキア人の役割
第3章 イスラーム世界の拡大
第2部 中国の台頭と挑戦するヨーロッパ
第4章 中国文明の誕生から後漢まで
第5章 三国時代から唐代まで
第6章 宋から元へ
第7章 ヨーロッパの逆襲
第8章 商業情報の伝達と経済成長
第9章 オランダからイギリスへの覇権の移行
第3部 ヨーロッパの支配から新冷戦へ
第10章 世界に組み入れられる明清の中国
第11章 世界に組み込まれるアメリカ
第12章 ヨーロッパの拡大とディアスポラの民
第13章 産業革命とコミッション・キャピタリズムの世界
第14章 アメリカの覇権から中国の覇権へ?
終章 ユーラシア覇権国家連合の兆候
あとがき
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

29
何もしなくても「手数料」を得られるシステムを構築した国家が覇権を握る。その手数料と資本主義という枠組みから世界史を捉えなおし、覇権国家の成立条件について論じた一冊。出アフリカからメソポタミアの覇権、地中海世界形成とギリシア人・ローマ人、イスラム世界の拡大、中国の台頭と挑戦するヨーロッパ、ヨーロッパの支配から新冷戦に至るまでの過程は、ものの動きがどう変わったかという観点から世界史の復習をしているような気持ちになりましたが、これまでの経緯を踏まえた上でこれからどう変わってゆくのか、なかなか興味深い解説でした。2022/11/07

24
「経済活動は賭博場に似ている。賭博するためには胴元に金を支払わねばならない」著者の逆転の世界史、迫害された移民の経済史を発展させたとのことでだいたい被ってた。参考文献一覧に並ぶのは手に取りやすい新書や講談社学術文庫等なのでこちらを漁る予定。後書きでウクライナ侵攻によりロシアと中国による新しい覇権(プラットフォーム)が生まれる可能性に触れられていて、それが一番嫌なやつだと眉間に皺が寄る。ロシアを舞台にしたSFでロシア宮廷がほぼちうごくに植民地化されてて漢字使わなきゃいけないというのがあるらしいんだけどアー。2024/01/25

アナクマ

20
「工業力がそのまま経済力を示すわけではない」。ストレンジ『カジノ資本主義』でいう構造的権力=プラットフォーム。そのプラットフォームを提供する国が経済的覇権を握る(集金の仕組みを作って握る者の)世界史を、手数料(賭博場のテラ銭)と物流の切り口で解説する。2024/01/07

takehiro

16
世界の各地域の物流の歴史本。個人的には、海運の話が面白いと思いました。手数料というタイトルにひかれて手に取りましたが、手数料の話はほとんどありませんでした、読み取れなかっただけかも・・。2023/06/25

リットン

14
世界史を経済の観点からなぞった本で、世界史の教科書を読んでいるようだった。けど、昔は用語としてしか覚えていなかったものも、それが重要とされる理由が今になるとわかったりする。タイトルにある手数料や、帯に書かれたショバ代、プラットフォームみたいな用語は実際あまりでてこず、キャッチーにするための宣伝文句感があったが、世界史を経済の観点から読み直すにはよかったかな。2022/11/21

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