統合失調症の一族 遺伝か、環境か

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統合失調症の一族 遺伝か、環境か

  • ISBN:9784152101686

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内容説明

第二次大戦後、ギャルヴィン一家はコロラド州に移住し、12人の子宝に恵まれた。しかし子どものうち6人に異変が起きる。修道士のようにふるまう長男、自分はポール・マッカトニーだと言い張る末っ子……。彼らはなぜ統合失調症を発症したのか。家族の闇に迫る

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

269
アメリカの各メディア2020年年間ベストブックを総なめにしたノンフィクションということで読みました。統合失調症が遺伝かどうかよりも、12人兄弟という異常な家族構成が原因のような気がします。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015224/2022/10/24

ゆいまある

187
統合失調症とは何か。私は26年間考え続けているが、概ねこの本と同じく、発達障害、双極性障害、統合失調症(そして名前のない数々の精神疾患も)は一連の繋がりであり、境界はないと感じている単一精神病論者である。だが、元は高い知能を持ちながら、決して正気に戻らないまま生涯を終えた人を何人も診てきた。12人のきょうだいの内6人が重度の精神病という地獄のような一家のノンフィクション。研究を打ち切ったファイザー、許さない。現代医療が精神病にできることは少ない。それでも、あなたは一人ではないと言い続ける。それが私の仕事。2022/12/31

mukimi

135
久々に心掴まれる本に出会えた。オバマ元大統領推薦・全米ベストセラーというお墨付がなければ手を出しにくい、12人兄妹の6人が統合失調症という読むのに覚悟の必要な題材が、医学的興味だけに留まらないサスペンスかつ人間ドラマとしてエンターテイメントへ昇華されていた。想像を絶する不幸を背負い続けた人間達(特に発症しなかった兄妹達)の様々な生き抜く術や戦う術、医療者研究者達の挑戦し続けるパワー、そして、恐ろしい化物のように扱われうる患者の時折見せる人間らしい共感と愛くるしさ。全てが胸に迫り、心に勇気の火が灯った。2023/01/07

アキ

130
コロラド州コロラドスプリングズに住むギャルヴィン家の家族。父親ドンと母親ミミの12人の子供の内、長男ドナルドをはじめ男性10名中6名までもが精神に異常を来たし、四男のブライアンは無理心中で死去した。精神に異常を来さなかった残りの兄弟も発症を怯え、末の女性マーガレットとリンジーも兄から虐待を受けた。そんな中でも母ミミは前向きで明るかった。その後、統合失調症の発症に生まれか育ちかという論争の変遷と、家族が研究に果たした役割が明らかになる。ファミリーヒストリーと疾病の研究の変遷が絡み合う上質なノンフィクション。2023/03/28

TATA

111
凄絶な作品だったというのが読後の第一印象。身内に精神障害を抱えたことの恐怖感、幸せになっていいのかという強迫観念。そして家族の問題と並行して語られる統合失調症の研究。まだ大いに偏見が横行し、かつ治療法さえない時代。非常に硬質なドキュメンタリー、特に発症した我が子を愛そうとするミミの心中を思うといたたまれない。2023/06/04

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