内容説明
11年半モスクワ特派員を勤めた記者が、ロシア革命に遡りプーチンの歪んだ歴史観と、その危うさに迫る。「ウクライナにて」を書き下ろし。現地から残虐行為の実態等を伝える。
(本書は同タイトルの増補版です)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
18
モスクワ特派員を長年勤めた産経新聞論説委員・遠藤良介2022年増補の発行著書(初版2018年)。白軍赤軍の内戦時代からのロシア権力闘争の歴史を、レーニン指示によるらしい流血事件も含めてまとめており勉強になった部分も。1917年の十月革命(レーニン率いるボリシェビキが権力奪取)で朝日新聞が私心私党と無知蒙昧の大衆の結合と報道し世界史的意義が全く分からなかったとわざわざ言及していた。プーチンを強権政治と非難。ただロシアは反欧米アジア主義/民族主義な点で、大日本帝国と類似性高く、日本人による冷静な研究が重要かも2024/05/29
buuupuuu
13
産経新聞の連載記事をまとめて2018年に書籍化したものに、ロシアによるウクライナ侵攻についての文章を付した増補版。内容は、革命以降のソ連やロシアの権威主義体制の歴史で、プーチンも過去の権威主義と連続的に捉えられている。少し前には、権威主義体制を持ち上げる言説なども盛んにあったが、こうして見ると、権威主義体制の危うさを改めて感じざるを得ない。権威主義と歴史修正主義と陰謀論はセットなのだろうか。プーチンがスターリンを持ち上げているためか、ロシアでのスターリン評価が回復してきているというのが恐ろしい。2022/10/06
Takeshi Morita
1
ロシア革命とレーニン、スターリン時代のソビエトを中心に19世紀から現在までのロシア史の概略を理解出来る気がする。欧米諸国との対立を前提に混乱と独裁者の誕生を繰り返している様子が分かる。 他民族、複数の宗教が全体主義国家により統治されている印象。ロシア国民は100年以上も不安定な生活を強いられて辛いなと感じた。ロシア、中国とアメリカの中間に位置する日本にとっても大きな脅威である事は間違いない。2023/10/29
Oki
1
プーチンはウクライナの国民性を完全に見誤った、とあるが、見誤る指導者がいると、現代でも戦争は起こる。 そしてこの悲惨な世界を産み出してしまうのがドストエフスキー・トルストイの時代以来のロシアの孤狼の血か?2023/03/28