内容説明
決別 総連と民団の相克77年。
かつて日本国内に60万人いた在日韓国・朝鮮人は、最大のマイノリティ集団として戦後史に大きな影響力を持った。
彼らを日本においても「南北」に分断したのが、在日本朝鮮人総聯合会(総連)と在日本大韓民国民団(民団)である。
総連と民団は、本国で起きた朝鮮戦争やその後の南北対立そのままに、日本を舞台に抗争を繰り広げた。
北朝鮮への帰国事業とその阻止運動、金大中の拉致、朴正煕夫人暗殺事件、力道山の囲い込み、そして芽生えかけた和解と決別--。両組織の77の相克に初めて迫った傑作ノンフィクション。
(底本 2022年9月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
110
総連と民団に繋がる確執が、朝鮮半島が分断される前から始まっている事実に驚く。金大中事件・文世光事件・日本人拉致などの著名な事件に、両団体が複雑に絡み合っている歴史に、その相克の闇の深さを実感する。同じ民族なのに、同じ在日なのに、本国以上に南北の対立感情が根強く残ることに複雑な思いがするが、それは二つの本国政府の思惑に翻弄された結果でもある。と同時に、植民地支配の歴史、今も残る差別、偏狭な外国人政策など日本の責任があることも忘れないでいたい。多くの直接取材を経てフェアな姿勢を貫く著者による素晴らしいルポ。2023/01/05
チェアー
6
総連も民団も、個人では志のある人が多い。だが、上層部批判は許されず、誤りを認めない。誤ったと分かっても、害を被った人々には謝罪しない。 親睦団体として総連や民団を維持していくほうが意味があるのではないか。そう日本人が考えることも差別的なのだろうか。「日本人」も「彼らの意思を尊重する」といいつつ、放置していいのか。それは差別を温存するほうが都合がいいからではないかとも考える。 2023/03/22
K.C.
3
一緒くたに見てしまいがちな民団と朝鮮総連。その歴史を丹念におった本作。理不尽とも思える本国の指示、対立したり手を結んだりする相手、そして身内。解決しない。2023/05/28
guanben
2
在日本朝鮮人総聯合会と在日本大韓民国民団。日本の植民地政策や外国人政策、本国政府の思惑など、様々な外的要素によって、2つの団体の相克は増幅され、先鋭化し、現在に至っている。本書は両団体に縁のある人々に取材し、その歴史の一端を紹介する。紆余曲折を経ながらも、両団体はなんとか日本で共存してきた。その経験と歴史は、朝鮮半島の南北と日本が平和的な共存に寄与できるはずと指摘。そうなるといいね。2022/10/29
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