「銀河鉄道の夜」の謎を解く - 〈彼ら〉はいったい何者なのか

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「銀河鉄道の夜」の謎を解く - 〈彼ら〉はいったい何者なのか

  • 著者名:三浦幸司
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 寿郎社(2022/09発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909281418

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内容説明

いじめられているジョバンニをカムパネルラはなぜ助けない?国民的名作童話は、実は究極のミステリー。歴史を紐解き、賢治の遺した“ことば”を深掘りし、その“謎解き”に挑んだ快著!

目次

はじめに
〔1〕ジョバンニはなぜ銀河鉄道に乗れたのか
〔2〕銀河鉄道は天空を走らない
〔3〕「カトリック風の尼さん」とは何者か
〔4〕「鳥を捕る人」の真実の姿
〔5〕「灯台守」とは何者か
〔6〕「姉弟」だけ日本人なのはなぜか
〔7〕「トウモロコシの種まきを語る人」とは何者か
〔8〕車窓から見える人たちについて
〔9〕ジョバンニの友・カムパネルラのモデルとは
〔10〕カムパネルラとジョバンニにとっての「銀河鉄道」
〔11〕銀河鉄道と路線についての不思議
〔12〕銀河鉄道の座席の位置
終わりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

61
銀河鉄道は一体どこを走っているのか? おそらく宇宙空間を走ると答える人が多数だと思う。しかし少年のころ、最初に読んだ印象は、全くそうではなく、幻想的だが地上を走っているとしか思えなかった。この矛盾に取り組んだ論もあったが、本書ではじめて、納得させてくれる謎解きに出会った。近年は、作品に頻出する西欧的、キリスト教的イメージを十分に説明しない論が多いように思うが、この点も本書はカバーしている。難破船の青年とふたりの姉弟とは、一体誰なのか。本書のその答を読んだとき、そうだったのかと、大変驚き、また感動した。2022/04/03

へくとぱすかる

35
2年ぶりに再読。賢治が着想して1世紀。「銀河鉄道の夜」が今なお人々を惹きつけるのは、数多くの謎に満ちた作品であることも一因である。しかも謎を解かれても依然として大いに魅力ある作品であり続けている。再読してみても、西洋的・キリスト教的な記述にかかわる謎や、鳥捕り・灯台守が本当はどういう人物なのかを解き明かす点がやはり斬新であると思う。賢治がそこに抱いていたイメージに、一貫したつながり・整合性が見られることについての指摘はやはり鋭いと思う。こうした論考は、読了後の更なる楽しみであるし、思いを新たにしてくれる。2024/02/24

スプリント

9
銀河鉄道の夜に登場する不思議なキャラクター達が誰なのか?どのような背景をもって登場したのか。 最終稿だけでなく予定稿も調べて論じています。 原作を読み返したくなりますね。2022/05/22

必殺!パート仕事人

1
なんとなく疑問に思っていたあれこれに納得がいった一冊でした。こういう内容なら賢治研究本を読んでもいいかな。 銀河鉄道に乗れたのは犠牲死をした人達。ジョバンニを十字架(人間の罪)を背負って丘(天気輪の丘)を登っていくキリスト(殉職者)に擬えた。鳥捕りは軍人の象徴。天の星が地上に降りてきて、その上を鉄道が走っているので星図は反転している。ただ一人日本人男性で生き残った細野氏。当時でも批判があっただろうこと、想像できていなかった。生還後の不遇にも拘わらず宮仕えを続けたこと、これも尊いことではないか。2022/12/31

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