内容説明
ヤマト政権が成立したのは、果して三世紀か、五世紀か、七世紀か。最新の発掘成果をふまえて古代史最大の謎・この国のルーツに迫る
わが国はいかに形作られたのか。それを知る最良の手掛かりは、全国に点在する巨大古墳である。あい次ぐ発掘、また年輪年代法など最新科学の応用により、古代日本は急速にその姿を顕しつつある。古墳の造営年代から巨大古墳の被葬者(大王)たちもより精緻に推定され、さらに古代権力の変遷の推移まで、見えてきたのである。日本古代史の大家がこれまでの発掘結果を踏まえて迫る、古代史ミステリー。
序 章 古墳とは何か
第一章 古墳と邪馬台国
第二章 古墳と初期ヤマト政権
第三章 巨大古墳の世紀
第四章 ヤマト政権の変質
終 章 古代国家への道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
29
列島各地でどんな順序、規模で古墳が築かれたかをヤマト政権の成立、勢力拡大に合わせた視点で描いています。陵墓として発掘できない古墳も多いなか、築造年代や被葬者についてだいぶ研究は進んでいるのですね。西殿塚古墳や島の山古墳で男性司祭者と女性司祭者の両人が埋葬されていると考えられていることは、刺激的です。沖縄のオナリ神みたいな感じだったのでしょうか?卑弥呼にも弟王がいたことを思うと邪馬台国がぐっと近づく気がして面白いです。2016/04/20
mitei
20
古墳についてよく分かった。古代史に興味が持てた。2011/04/16
崩紫サロメ
13
本書は考古学の視点から、古墳が単なる墓ではなく、政治的な性格を併せ持つ建造物であったことを示していく。実はこのことを初めて体系的かつ理論的に論じたのは考古学者ではなく歴史学者の西嶋定生であったことがあとがきで明かされている。古墳に見られる政治秩序を読み解き、最後には7世紀初頭には前方後円墳の造営が全国で停止される。これは首長連合としてのヤマト政権を否定し、大王を中心とする中央支配的な地方支配制度への方向性を明確にしたものであるとし、それまでの古墳の政治秩序を対比的に描き出す。2026/04/02
Hiroshi
8
全国に点在する巨大古墳の発掘や年輪年大法等の最新科学の応用により、古墳の造営年代から被葬者(大王)達も精緻に推定され、古代権力の変遷まで見えてきた。最新の発掘成果を踏まえて古代日本の姿に迫る本。◆弥生時代は北九州では初期から環濠集落が出現し、戦争の時代となった。中期以降には高地性集落も現れる。然し後期の2世紀半ばになると環濠集落が消えていく。地域統合が一応の決着を迎えたのだ。山陰や吉備地方では大型墳丘墓が現れ、地域の首長達が共通の葬送儀礼を執り行い始めた。そして3世紀半ばに前方後円墳の箸墓古墳が出現する。2020/01/31
内藤銀ねず
8
古墳の年代特定によってヤマト政権の成り立ちがここまで分かる、というような研究成果を「かなり」噛み砕いて教えてくれる本。ただし研究者の筆致らしく読んでも読んでも絵や物語は浮かんできません(苦笑)。昨今の読みやすさ偏重時代には敬遠されそうな本ですが、それでも門外漢の私にはまことに示唆に富む良い本でした。副葬品としての「三角縁神獣鏡」や馬具の作成年代比定など、知らないことがたくさん。「薄葬思想」なんて、ついついメモってしまいました。そんな用語があるんだ…!2017/07/21
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