内容説明
~ミステリ作家からの挑戦状~
登場人物全員、同姓同名!
大胆不敵、大混乱ミステリ待望の文庫化。
大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て
練習に励んでいた。そんな中、日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人が捕まった。
週刊誌が暴露した実名は「大山正紀」ーー。報道後、不幸にも殺人犯と同姓同名となってしまった
“名もなき大山正紀たちの人生が狂い始める。
これは、一度でも自分の名前を検索したことのある、
名もなき私たちの物語です。
書き下ろし短編「もうひとりの同姓同名」収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kanonlicht
89
殺人犯と同姓同名だったため人生を狂わされた「大山正紀」たち。数年後、「同姓同名被害者の会」として集まった彼らにはそれぞれに思惑があって…。設定がキャッチーなのでビブリオバトルの本に選ばれるのも納得。確かに人に話したくなる。中身は叙述トリックの見本市のようで、安定の面白さ。途中からすべてが疑わしく思えてくるも、さすがに最後のオチまでは予想できなかった。物語の特性上、一気に読まないとたぶんわけがわからなくなるけれど、展開が早いのでするする読めたのはよかった。2024/04/12
のんちゃん
89
女児惨殺事件の犯人が捕まり、その名は大山正紀といった。少年が犯人であったこの事件はとある雑誌により実名報道がなされてしまい、そこから同姓同名の大山正紀達の人生が狂い始め、また、殺人事件が起きた。時系列の歪み、なりすまし、嘘、事件in事件、そしてもちろん叙述トリックなど等、ミステリーの要素のてんこ盛りの話だった。そして着地、あぁ、そう言う事ねと思ったら、また、最後の最後に騙された。ただ本作は単に謎追い話と言うだけでなく、今問題となっているSNSの在り方にも言及する作品にもなっている事を最後に付け加えたい。2022/11/29
アッシュ姉
86
もしも殺人犯と同姓同名になってしまったら。起こりうるかもしれないのに想像してこなかった世界。ほんと世の中は他人を攻撃しすぎる。最初はうむうむと読んでいたのだが、だんだんしんどくなってきた。ぜんぶ理解できたか怪しいけど読み終わったことに解放感!いまのところ、同姓同名の人に会ったことがないことに両親に感謝したい。2023/03/22
みこ
68
殺人事件を起こした犯人と同姓同名というだけで日本中の大山正紀が大迷惑。ブラックユーモアかと思いきや、SNSでの無慈悲な言葉の暴力など序盤は結構社会派。中盤以降は小説ならではのトリックで自分の先入観が嫌になるほど。全く同じ文章や会話が全く異なる意味になることに驚かされる。ここまで見事にしてやられるとむしろ清々しい。2023/10/30
紫綺
64
単行本にて読了。同姓同名の嵐、紛らわしい荒波に翻弄され、ミスリードされていく。最後まで気が抜けない困惑のミステリー。2023/05/27
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