内容説明
鮮烈な氷雨の告白に再び衝撃が走る《婚約解消同盟》。最後のターゲットは、無邪気な幼馴染・北大路二愛。
二愛との婚約は幼き日の幸太自身が結んだもので、逃げずに向き合うべきだと諭すクリスと氷雨。だが、彼女たちの心中は複雑混迷を極めていた。
《婚約》から解き放たれ自由になること――それは同盟を誓った元許嫁として、逆襲を誓った元恋人として。好きな人と過ごす時間を失うこと。
《婚約》が恋を阻む“壁”であり、《婚約》こそがクリスたちを結ぶ“繋がり”と化してしまっていたのだ。この矛盾した四角関係に迫る選択の時。それでも彼女たちは前へ進む――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
26
【BW】幸太自身が婚約を伝えたとされる幼馴染・北大路二愛にフォーカスした今回。幼い頃の交わした幸太との約束を支えにひたすらに陶芸の道を行く二愛は、本当に幸太のことを愛しているのかが問われます。夢を実現したい子供と現実の視点に立つ親は、いつの世もすれ違うもの。夢に向かう二愛を、幸太が後押しする展開にはぐっとくるものがありました。ラブコメ面では予定調和の着地点で、しっかりタイトルを回収したエピローグの最後の一文に感無量です2022/09/09
真白優樹
11
若き陶芸作家である二愛との婚約を解消すべく動く中、クリスの想いが揺れる最終巻。―――呪いも因果も断ち切って、平等に全てを選ぶ為。 今までとは違い、受動的だった幸太が能動的に動いていく巻であり、それぞれの思いが巡る中、彼が一番の大切をちょっと締まらぬ形で選ぶ、この作品らしい面白さのある巻である。これからも騒動も混沌も続くのかもしれない。けれどそれでも。もう大切なものは選んだ。だからこそ、迷わない限りはもう大丈夫なのだろう。これからの先の彼等が賑やかに幸せになる事を願って。 うん、とても面白かった。2022/09/29
rotti619
10
今回は3人目の婚約者北大路二愛の回。他の2人と比べて婚約者であろうとする姿勢と、現代の陶芸家の生きる道の険しさから、彼女の苦悩を知る内容となっている。相変わらずクリスの洞察は切れているし、前巻で素直になれた氷雨も可愛さが増しているが、個人的には主人公の成長を最後まで感じる事ができなかった。二愛の悩みに対する解決策も、見方を変えれば当人にも相手に対しても無責任極まりない行動。ここでラーメン屋の跡取りとして何か爪痕を残したらまた印象が変わったのだが。この巻で完結だが、最後も唐突感が否めなかった。2022/09/24
穂垂ユキ
7
評価 : 5 楽しみにしていたこんかわの3巻。今回は3人目のヒロインの掘り下げということで、ヤンデレヒロインをどう扱っていくというところだったが、うまくシナリオが展開されていてよかったと思う。主人公の誠実なところもしっかり描写されていた。だからこそこれで完結というのは驚いた。たしかに描くべきことはもう描ききっていると思うが、もう少し続きが読みたかった。この作者の次回作も期待したい。2022/09/12
中性色
5
日付登録用。感想は後日2022/09/20