内容説明
海防戦艦とは、巨砲を携え、分厚い装甲でその身を鎧った海防艦、小型の戦艦である。近代的な航洋型戦艦の成立と相前後して誕生し、各国で相応の数が建造されたものの、弩級戦艦が出現すると、わずかな例外を除いてほとんど顧みられることがなくなった。本書では、「戦艦」であるという点に重きを置いてこの艦種を独自に定義し、巻頭カラー頁を含め、400枚以上の写真と150枚を超える艦型図・砲塔図を交えて、歴史上全ての海防戦艦の設計・建造・運用について詳らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizi
6
もっぱら小国が自国沿岸防衛用に作った船がたくさん。知らないことがたくさん書いてあるので、読むのが楽しい。南北戦争時のモニターからスタートして「こんなのあったんだ」と様々な知見を得られた。というかフィンランドの「バイナモイネン」「イルマリネン」の艦史を日本語で詳しく読めるのって他にあるのか?2025/08/14
印度 洋一郎
5
19世紀後半から20世紀初期にかけ、小国が沿岸防衛用に作った海防戦艦についての、世界でも珍しいであろう研究本。限られた国力を背景に、軽巡や重巡クラスの艦に重巡以上の火力を配備する、これが最大公約数的な海防戦艦の概念だが、実際にはそれぞれの国の国防上の要求で様々な艦が作られていた。設計段階の要求が経済的な限界で断念されることもしばしばで、この艦種にはやりくりしながら軍艦を作らなければならない国の悲哀と工夫がある。中でも20世紀になって建国したフィンランドは、海軍の主力である海防戦艦の歴史がそのまま海軍小史。2024/06/28
竜王五代の人
1
海防戦艦、つまりは12インチ級以上の主砲を備えた標準型の戦艦や、6~8インチ級の巡洋艦に脅威を及ぼせるだけの主砲(当然8インチ級以上となる)を備えた上で、航洋性や防御力を「ある程度」妥協した、戦艦の縮小型ーーというのが私の定義。著者なりのこの曖昧な艦種への定義はあるが、それを踏まえた上で海防戦艦を運用した各国での周辺の艦艇(モニターなり砲艦なり巡洋艦なりと呼ばれる)まで網羅して読者に判断をゆだねている大著。建造は結局WW1までがほとんどなんだけど、それでも水上戦が廃れるまではその砲力で生命を保った。2022/12/26
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