内容説明
地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。ホモ・サピエンスの拡散に至るまで生命はしぶとく生き続けてきた。本書はその奇跡の物語を描き出す。生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろき@巨人の肩
73
約40億年前の生命誕生から10億年後の生命絶滅まで、6つの時間軸の異なる年表(地球、生命、種、ほ乳類、人類、ホモ・サピエンス)、表現豊かな自然や生物の描写、44枚のイラストによって上手く圧縮されている。大酸化、氷河時代、大陸移動により劇的に姿を変える地球。生物は、オルドビス紀、デボン紀、ペルム紀、三畳紀、白亜紀と5度の大量絶滅を経験。両生類が羊膜類へ進化した際に、ほ乳類とは虫類が分岐したとの学説を知れて良かった。猿の惑星以降の進化を見ていると社会的な適合性の差異が自然淘汰に寄与している点、再認識した。2024/12/08
yamatoshiuruhashi
55
地球誕生から約8億年後の未来までの予測の上で「生命」の変遷の歴史を語り、終章では我々人類がどのようになっていくか、「生命」がどのようになっていくかを予測する。本文わずか285頁の中にそれが語られるのであるからまさに超圧縮である。ホモサピエンスは240頁を過ぎて漸く現れる。現生人類も必ず「絶滅の負債」を払わねばならない。人類の人口は今世紀末にピークを迎え減少へと転じる。2100年には現在の人口を下回るだろうという予測。しかし、最後の一文は、「絶望してはいけない。地球は存在し、生命はまだ生きている」2022/09/25
syota
40
地球の誕生から現在、更には予想される未来(10億年後には地球の全生命が死滅しているらしい)までの生物の変遷を一冊で解説している。著者はあの「Nature」誌の編集にも参画している生物学者。2度の全球凍結、5度の大量絶滅を乗り越えて生物がしぶとく復活してきたのが、なんとも印象的だ。それぞれの大災厄がなぜ起こったのかも、端的に説明されていて分かりやすい。ただ、電子版では本文とイラストが別ページに分かれてしまうのが難点。イラストを見ながら読まないとイメージが掴めないので、途中から紙版に切り替えてしまった。2024/05/22
mikarin
31
太陽が生まれた瞬間から遠い未来まで超圧縮。5度の大量絶滅。2度のスノーボールアース。エディアカラ生物群。カンブリア爆発。超大陸ロディニア。超大陸パンゲア。これって今の常識?生物の授業で習うこと?こういう大きな時間の流れを追いかけているとホモ属の中のサピエンスの中の今のちっぽけな自分について一瞬で過ぎ去ってしまう取るに足らないものだと思えてしまって辛くなるけどちゃんとその辺も最後にケアしてくれてます。いつか必ず絶滅するとしても今出来ることをやればいいんだと思えた。今から本気で頑張れば温暖化も止められるかも。2024/03/19
haruka
29
地球の進化と絶滅の歴史をタイムマシンで駆け抜けるような一冊。遥か昔、名もない星の超新星爆発の欠片から太陽が生まれるくだりから始まるスケールの大きさ。近未来、ビッグファイブに続く第6の絶滅は必ず起こる。著者はこれを1番書きたかったのだと思う。人間は生態系の殺戮者。でもほんの一瞬のちっぽけな存在でしかなく「知恵を絞ってきっと生き残れる」なんて幻想だと。「絶滅の負債」を返済して、今後数千年の間にサピエンスは消滅するのだという。人間が極悪の限りを尽くしてきたとしても、生態系に因果応報なんてないと思うのだが...2022/12/23
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