内容説明
史上初の武家政権は、鎌倉幕府ではなかった! 平家の台頭から平家政権の誕生、日宋貿易、福原への遷都、清盛の挫折と死、その後の平家の最後、源氏政権との比較まで。歴史小説作家ならではの観察眼で、幕末まで700年続くことになる武家政権の礎を築いた平清盛の革新的な人物像と、清盛を取り巻く平家の人びと、公家・源氏のものたちを描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
12
平家政権をどう捉えるか?二つの側面があると思う。貴族政権の延長か、武家政権の先駆けか。著者は前者をより重視しているようだ。それを反映してか、副題は改革者(革命家ではない)。ただ、描かれる清盛像に目新しさは感じない。2022/11/23
coldsurgeon
7
平清盛が日本社会に見える形で残したものは、よくわからない。人物的に壮年までは、常に筋目を大切にし、公明正大な立場から問題に対処している。しかし、平家という武士氏族を率いて武家政権を立てることはしなかった。古来からの制度の中に入り込み、平家一門が繁栄することを目論んだが、その死後、形として残すことはできなかった。源頼朝と比較することで、それは鮮明になってしまう。ただ、日宋貿易を推し進めることにより、交換手段としての銭の利便性と経済の活性化という副次効果は、しばらくして現れたかもしれないが。2022/09/22
TK39
5
色々と知らないことをインプット出来た。平家は清盛のみに武士が従属しているのではない。源氏は食物などを京に向かう途中で現地調達したが、平家は官軍として、それは行わなかったなど。。清盛は頼朝の挙兵後、しばらくして死んだが、仮に清盛が生きていたとしても源氏の勢いを止めることは出来なかったかもしれない。2022/09/10
北之庄
3
大河に触発され伊東氏の作品を読む。鎌倉訪問日の読了は何だかオツなもの。平氏政権の興隆滅亡を通史として描く本作。近年、鎌倉幕府に先立つ武家政権の先立ちとされがちな平氏が、朝廷による統治機構と利権構造に彼らが喰い込んだモノとの見解は特に目新しくない。ただ日本一の大天狗とされた後白河院の政治手腕が、感情的かつ場当たり的でさほど戦略的でもないとの分析が意外。平氏のみならず皇室、摂関家、藤原氏、源氏の嫡流庶流等々と多数の人物が、様々な官職にて複雑に絡み合う様は一度の通読ではなんだか分かりにくい。後日再読確定の作品。2022/11/03
白隠禅師
2
この時代面白いんだけど名前が平氏も源氏もよく似てるから読んでるうちに弟だったかおじだったか息子だったかよくわからなくなる。内容自体は面白い。2022/09/18




