内容説明
ホラーとファンタジーの故郷(ふるさと)に、ようこそ! 『ハリー・ポッター』や『指輪物語』など話題の幻想ファンタジー小説や西洋オカルト思想、妖精妖怪研究、魔女と古代信仰、風水とレイライン……ヨーロッパの神秘と怪奇の起源を訪ねる旅。吸血鬼ドラキュラのトランシルヴァニア、怪物ゴーレム伝説のプラハ、ルートウィヒ2世の楽園ミュンヘン、パラゴーニアのお化け屋敷、幽霊ツアーのロンドン……。ヨーロッパの深くて古くて不思議な旅にあなたを誘う!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ntahima
57
文学の薫りなき澁澤龍彦と言えばやはり失礼か。但し、本文中にも澁澤氏への言及や引用が多数あり、先蹤者への尊敬の念が窺われ好ましい。内容は中世ヨーロッパ裏面史。此手の話が好きならば澁澤氏の「滞欧日記」を初めとする欧州モノ、中世モノにも目を通すことを強く勧める。ところで荒俣宏と言えば「帝都物語」が有名だが「別世界通信」巻末のファンタジー単評がお勧め。今まで読んだ中で最高にリリカル、ノスタルジックそしてロマンチックな書評集。全作読みたくなること請け合いだが、短評自体が一種の作品なので、紹介作への過剰な期待は禁物。2010/12/19
YO)))
13
程よい蘊蓄―事ある毎にシブタツ先生の名前が出てくるのが微笑ましい―を交えた,ヨーロッパ怪奇名所ガイド.ゴーレムや吸血鬼といった定番中の定番から,シュヴァルの理想宮や自動人形(アウトマタ),パリの下水道といったちょっとした変化球まで.楽しい.2014/04/09
ist
7
指輪物語やハリポタといったファンタジーやホラーのルーツを辿ると、ヨーロッパの土地や歴史から醸成されたオリジナルに行き着く。完璧すぎる故の恐ろしさを感じさせるスイスのからくり人形、土人形のゴーレムの成り立ち、シュヴァルの作り上げた理想宮、ストーンヘンジにも繋がる古代の交易路レイライン、狂王の作り上げたノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホーフ宮などの幻想の砦、イタリア・タルクィニアの生きている死少女、パリの地下の巨大迷宮の悪夢、ドラキュラと現実世界での符号の一致、コメに続く2015/09/22
midnightbluesky
3
アラマタセンセー、不完全燃焼の感拭えず・・・。2009/07/27
灰猫
2
のんびり読んでたら、読了までに4年近くかかりましたが、まさにガイドに相応しい異世界通信への導入の書でした。そこから深い深淵を覗くのであれば、それぞれの専門の書を読むも良し、実際に現地に行くも良しというスタンスが僕には丁度良かったです。でも、僕の探し方が甘いのかラティエの絵をたくさん探しきれなかったのが、残念です。2015/01/18