新潮選書<br> 沖縄県知事―その人生と思想―(新潮選書)

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沖縄県知事―その人生と思想―(新潮選書)

  • 著者名:野添文彬【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 新潮社(2022/09発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106038891

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内容説明

「基地か経済か」「政府との対立か協調か」――沖縄は常にこの二分法で語られてきた。しかし歴代の県知事たちは、保守であっても時に首相を鋭く批判し、革新であってもしばしば官邸と協力した。屋良朝苗、西銘順治から翁長雄志、玉城デニーまで8人の肉声から、単純化された保革対立では見えない沖縄問題の深層を読み解く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

111
本土復帰後の8人の知事が詳しく紹介されている。十年毎に保守と革新が交代するが、「イデオロギーよりアイデンティティ」が沖縄の人たちの本音だろう。戦後の安全保障で沖縄を犠牲にし続ける日本政府と日本国民に対し、「沖縄が日本に甘えているのですか、それとも日本が沖縄に甘えているのですか」(翁長知事)と問う声が胸に刺さる。沖縄に寄り添った歴代政権の後、小泉首相以降の冷淡さが際立っている。「私は戦後生まれなものですから、歴史を持ち出されたら困りますよ」と言い放つ菅義偉氏のような政治家に、沖縄の心が踏みにじられている。2022/10/31

nishiyan

16
屋良朝苗、平良幸一、西銘順治、大田昌秀、稲嶺惠一、仲井眞弘多、翁長雄志、玉城デニーと8人の沖縄県知事の評伝を紡ぐことで沖縄問題の深層を読み解く選書。「保守と革新」、「経済振興と基地問題」、「政府との対立か協調か」など二項対立で語られがちであるが、歴代知事の果たしてきた役割は大きい。一方の陣営から担がれても県民党を標榜してことに当たる点などは近年の地方政治を先取りしている感もあって興味深い。歴代知事を悩ます基地問題は永田町の勢力争いと世代交代の波に飲まれてしまい…というのが何とも言えない気持ちにさせられた。2023/01/17

二人娘の父

12
これまであるようでなかった、施政権返還後の歴代県知事を年代順に紹介する評伝。この視点の獲得により、沖縄と日本との複雑な関係性を考える解像度が一気に上がる。保守・革新では分けられない、沖縄県知事の重責と果たしてきた役割は実に興味深い。印象に残るのは、自民党政府の変化が小泉政権から始まり、安倍政権で決定的になること。翁長・菅会談での菅の暴言は有名だが、ここを解きほぐさない限り、現政権による問題解決はあり得ない。この本は自民党政府とその支持者こそ熟読すべきであろう。保守とは何か、安保とは何かを今こそ再考すべき。2022/12/20

叛逆のくりぃむ

8
 歴代の沖縄県知事を通して本土復帰後沖縄が置かれた立ち位置の変遷を繙いている。辺境の立ち位置の難しさは変わらないと気付かされる。2023/05/25

ワッキー提督

5
歴代沖縄県知事について、「頭の中の七~八割」を占めるとされた、基地問題への対応を中心に記述した一冊。読んでいて最も印象に残ったのは、保革どちらの県政も、一定の幅に収まるの、「凝集力」のようなものが働いているように感じたことである。保守県政下でも、基地問題で主張することは主張し、革新県政下でも、基地問題での政府との決定的対立は避けようと動く。この大枠は一見対立に傾いたように見える「オール沖縄」の2人の知事の下でも、本質的なところで継続されているように感じた。2022/12/18

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