内容説明
「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか――。占領期のジャズブームに熱狂して音楽を始めた若者たちは、伝説のステージ「日劇ウエスタン・カーニバル」へ。成功と挫折を経て、彼らは裏方に転身、それぞれがプロダクションを立ち上げ、芸能界を新しく作り変える。その歴史は、戦後日本の〝青春〟そのものだった。スター誕生の物語、テレビ局やレコード会社との攻防戦など、壮絶な舞台裏を明かすノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
114
進駐軍への娯楽提供のため歌手やバンドが集められ、基地を巡業していくうちにミュージシャンと実務担当が分離し、蓄積されたノウハウを活用してマネジメントを行う芸能事務所の基礎となった。彼ら第一世代が娯楽を求める一般人をロカビリーや日劇ウエスタンに集め、そこで裏方に回った面々が第二世代の新たな芸能事務所を立ち上げる。喜怒哀楽がぶつかり合う世界で、離合集散しながら芸能界が形成されていく姿は大河ドラマそのものだ。しかしあくまで表の歴史だけが描かれて暴力団との癒着などは全く言及されないのは、まだタブーが残っているのか。2022/11/17
緋莢
20
渡辺プロダクション、ホリプロ、田辺エージェンシー、サンミュージックプロダクション、など、現在の芸能プロダクションが生まれ、芸能ビジネスが成立していったのか?その変遷を書いた本。先に名前をあげた芸能プロダクションが、「日劇ウエスタン・カーニバル」の出演者や関係者ということで、社会現象にまでなったイベントの様子を書くことから始まっています(続く2023/03/07
五月雨みどり
14
なんてエキサイティング! 現代の芸能プロダクションが牛耳るザ・芸能界は,「日劇ウェスタン・カーニバル」から始まった。戦後,進駐軍の娯楽のために東北の「呼び屋」から集められた素人が見様見真似でステージをこなし,そこから芸と営業と金勘定を学んでいき,それがテレビ時代の到来で花開く。渡辺プロダクションを軸に,ホリプロ,サンミュージックを経て,田辺エージェンシーと繋がる構成(そして時代はアミューズへ?)。昭和歌謡大好物の私には「事典」「字引き」に匹敵する本。オモロー!2023/10/23
ライアン
11
1958年日劇ウエスタンカーニバルに出演していた人たちが後に昭和の芸能プロダクションを作ったというお話し。渡辺プロもホリプロもサンミュージックっも田辺エージェンシーも創業者はバンドマンだったんですね。ロカビリーブームの熱狂と終演、その後に出てきたGSブーム、そしてそれも終わりを迎え・・・、戦後の芸能史をたどるようで面白かった。レコード大賞の成り立ちと第1回大賞作に秘められた想いとかもね。2023/01/17
hitotak
9
戦後の進駐軍施設で演奏していたバンドマンたちが日本の芸能プロのルーツであり、彼らがどのようにショービジネスとテレビの発展に尽力していったのかが書かれている。大人気テレビ番組、又は楽曲を自らが制作して著作権を確保することでナベプロやホリプロといった大手芸能プロは芸能界に権力を持つようになった。この本はその過程の中心にいた人物たちからの聞き取りを行って書かれており、貴重な回想や秘話も数多い。読み応えのある一冊だが、タレントの移籍・独立への制裁、裏社会との関係など芸能界の暗部には一切触れられていないのは残念だ。2023/04/23
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