内容説明
写真家の著者は約半世紀にわたり、ベトナム、カンボジア、アウシュヴィッツ、広島、長崎、沖縄…など、戦争の悲劇に襲われた地の撮影、取材を続けてきた。現在、コロナ禍において取材がままならない中、一旦立ち止まり、これまでに訪れてきたそれらの場所に思いを馳せてみる。すると、世界は今も戦争の影響の下にあることを強く感じる。戦争は必ずしも戦闘の顔をしていない。砲火、蹂躙の後に何年、何十年と続く物心両面に残る後遺症もまた戦争の顔である。ベトナム戦争時に子ども時代を送った人、治療を続ける広島、長崎の被爆者…。著者はその表情に眼差しとレンズを向け、いつも寄り添う。ウクライナへのロシア軍の侵攻が起こってしまう現状に警鐘を鳴らすとともに、戦争をもたらす差別や狂気、それらを生き延びる道を考える。著者撮影の写真も約40点掲載!
目次
まえがき
第一章 歪んだ日常
第二章 戦禍~不条理から
第三章 戦争の終わりとは何か
第四章 本当の共生と共存について
あとがき 戦場ウクライナ考
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2023/12/17
ゆー
2
色んな人に直接話を聞ける機会があって、羨ましいと思った。大石さんは、第二次世界大戦のことはリアルタイムに写真を撮れなかったが、ベトナムやカンボジアはリアルタイムで取材ができた。第二次大戦のときのことをもっと色んな人に聞けていれば、、やその当時取材ができた人に対して尊敬の念をもっているが、私は大石さんが6,70年代からのことをリアルで知っているのがいいなぁと思った。 私も今生きているこの世の中の事をいつか誰かに話す日が来るのかな。でもさして話すことの無い今が平和の現れなのかもしれない。2023/04/30
Oki
1
原爆等の悲惨さは確かに伝えていかなければならない。 しかしプーチンのような人種に対しては、伝えていっても何も反応もないような気もする。2023/08/08
Go Extreme
1
歪んだ日常: コロナ禍に思う 差別~意識と無意識 三人の少年 戦禍~不条理から: ベトナム 音楽と力ーゲットー カンボジア~心に潜む魔性 戦争の終わりとは何か 広島、長崎、沖縄: 被爆者の同心円ー秋月辰一郎医師と被爆者 進化する被爆者治療 焼き場に立つ少年 沖縄 本当の共存について ニューギニア: 聖霊と共に森で暮らす高地民 メラネシアン・アートの人びと 戦場ウクライナ考2022/07/05
神谷孝信
0
原爆災難者や、ポルポトに抑圧された人々等とのインタビューを通じての筆者の想いに感動した。42022/07/16