内容説明
高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。
アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者の老人は認知症を疑われている。
事故を取材するライターの俊藤律は、加害者が住んでいた奇妙な風習の残る村・埜ヶ谷村を訪ねるが……。
「この村はおかしい。皆で何かを隠している」。
関係者や村の過去を探る取材の末に、律は衝撃の真相に辿り着く――。
横溝賞出身作家が放つ迫真の社会派ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
JKD
144
社会問題にもなっている高齢者ドライバー踏み違い事故の背景にある加害者の出身地と被害者の複雑な関係を紐解く記者の俊藤律。彼の執拗な探求により真実に最接近したとき、果たしてこれ以上先に進むべきだったのか、本当に知るべきだったのか、読み終わっても明確な答えにならない読後感。まさしく震える天秤。ただ現役裁判官である元妻 里美の意見には抗えない気がした。と言うことは、やはり真相を追求すべきだったか。いやいやそうでもない。うーん。2022/09/19
しげき
130
高齢のおじいさんが運転する軽トラがコンビニに突っ込んで店員を轢き殺す事故が発生。おじいさんは認知症を患っていると見なされ、事件性はないと判断される。しかし主人公のジャーナリストが調べていくと怪しい事実が浮かび上がってくる。果たしてこのじいさんは·· こういうミステリー系の小説を読む時は結末を予想しながら読むが、当たった事は一度もない··凡人です(笑)2023/02/16
shinchan
106
染井さん、2作品目。最後に「あなたならどうする?」と投げかけられた感じがしたが、なかなか答えは見つからず。 それにしても律さん「凄いわ」「流石だわ」。染井さん、又読んでみよう。2023/08/08
あっきー
95
全体的に状況が淡々と描かれている。ちょっと盛り上がりに欠けるかな。2023/06/09
Kanonlicht
78
高齢者の運転する車がブレーキとアクセルの踏み間違いでコンビニに突っ込み、男性店長が死亡。取材に来た記者は、事故当時店にいたアルバイト女性が高齢男性と同じ村の出身だと知り、ただの事故ではないと疑いを抱く。フィクションにもかかわらず、たぶん意図的に、主人公の記者が知り得た事実以外の「真実や結末」は語られていない。実際の事件でも、結局何が起きたかは当事者にしかわからないということに気づかされる。たしかに人それぞれに「正義」があるよな。2024/12/03