内容説明
パンク歌手から芥川賞作家、そして唯一無二の文人へ。町田康、はじめての自分語り!
独特な文体・語法と奇想天外な物語で幅広い読者を有し、多数のヒット作を発表してきた作家・町田康。一度読んだらやみつきになる、あの唯一無二の文学世界は、いかにして生まれ、進化してきたのか。町田ファンならずとも、文芸ファンなら誰もが気になる謎について、作家自らが内面を「暴露」する注目の一冊。本書では、人生初の試みという「自分語り」を幼少期から還暦を迎えた現在まで、好きだった本や作家、自身の作品解説といった文学世界はもちろん、影響を受けた民謡・浪曲・落語・ロックなどの芸能世界も取り込みながら、徹頭徹尾、町田ワールドを全開していく。
【目次】
本との出会い――書店で見つけた『物語日本史 2』
夢中になった作家たち――北杜夫と筒井康隆
歌手デビュー――パンクと笑いと文学
詩人として――詩の言葉とは何か
小説家の誕生――独自の文体を作ったもの
創作の背景――短編小説集『浄土』をめぐって
作家が読む文学――井伏鱒二の魅力
芸能の影響――民謡・浪曲・歌謡曲・ロック
エッセイのおもしろさ――随筆と小説のあいだ
なぜ古典に惹かれるか――言葉でつながるよろこび
古典の現代語訳に挑む
これからの日本文学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
209
町田 康は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。町田 康の創られ型が良く解りました。著者がNHK文化センターで講演をするとは思いませんでした。還暦を過ぎ、随分と丸くなった気がします(笑) https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000886812022.html2022/09/30
青乃108号
160
町田康の、多分、講演を文字起こしした本。日頃から「敬愛している」などと吹聴しておきながら知らんかった、まさかの俺と同世代。同じ時代を生きながら、彼は此の様な立派な本を著す御大におなりになったのに較べ、ああ俺は何と薄っぺらく無駄に生きて来てしまったのかと今さらながらに後悔し、猛烈なスピードで読んでいたらしゅうしゅうと頭から煙が出ている様な、あ、今、気が狂うという実感がして非常に恐ろしかった。2023/06/23
ふう
101
第一回 本との出会い『物語日本史2』から始まり、第十二回 これからの日本文学まで、講義をもとに編集されたもの。あの表現にはこんな土台や意図があったのかと、これまでの作品を思い出しながら読みました。町田氏との出会いは「おっさんは世界の奴隷か」というエッセイで、それから小説、猫との話へとのめり込んでいきました。共感し、わかったつもりでいても、町田氏はどんどん先に進んでいき、ついていくのが大変。それでも後ろ姿が見えるうちは、どこまで行くのか、何とか作品を読み続けたいと、この本を読んで改めて思いました。。2022/10/06
ペグ
101
小説と違ってラジオ講座で話されているので、おとなしい。けれど町田康という人間がより近く、理解出来るような(勝手な錯覚かもしれないのだが)話の数々。何かの機会にはいつもおっしゃっているけれどご自身は愚か者であると。弱い男であると。だからこそ町田康はとてつもなく優しい。2022/08/14
テル35
95
「理屈ではなくて感情の動きを言葉にしたもの、これが詩だというふうに私は考えています」と明快に言い切る。そして「わからんけどわかる」領域に入って「自分に対する途轍もない拘泥も外して書こうとする」境地に至る。全面的に共感しながら、ずっと文学の普遍性を追い求め続ける方なんだな、と覚悟の綺麗さ、深さに思い入る。文学の最終的な目的として「マスの言語に抵抗しながら言葉を紡いでいく」「この瞬間を全力で生きるために文学はある」自分の内側、外側の世界両方に軸足を置いて、「この世の熱狂から離脱することができる」と説いていく。2026/04/10
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