岩波文庫<br> 功利主義

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岩波文庫
功利主義

  • 著者名:J.S.ミル/関口正司
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2022/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003900048

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内容説明

最大多数の最大幸福をめざす功利主義は,目先の快楽追求に満足しないソクラテスの有徳な生き方と両立する.人間生活全般の根本原理として,個人や社会が正義とともに個性や人類愛を尊重するよう後押しする功利主義のあり方を追究したJ..S.ミルの円熟期の著作(初版一八六三年).『論理学体系』の関連部分も併せて収録.

目次

凡例
第一章 概論
第二章 功利主義とは何か
第三章 道徳的行為を導く動機づけについて
第四章 効用の原理の証明について
第五章 正義と効用の関係について
附録
一 自由と必然について(『論理学体系』第六巻第二章)
二 道徳と思慮を含む実践あるいは技術の論理学について(『論理学体系』第六巻第一二章)
訳注
解説
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

98
ミルのこの本については未読でした。自由論、自伝、経済学原理などは既に読んでいましたが。この訳者の方は「効用論」にしようかとも考えたともいわれています。確かに4章と5章には効用ということでの表題になっています。確かのこの二つの賞は私の興味を惹き、ミルの経済学原理の基本的な考え方が収められていると感じました。2021/09/02

壱萬弐仟縁

31
書店にて購入。正と不正の判断基準論争(11頁)。幸福とは反対のものをもたらす傾向があれば、その度合に応じて不正なものとなる。幸福は快楽を意味しており、苦痛の欠如も意味(24頁)。有名な件は、31頁にある。満足していない人間、満足していないソクラテス。 常にハングリー精神で壮年の私も過ごしたいものだ。昨年の邦訳の新訳『自由論』でも出てきたように、カーライルとミルは、汎用化・画一化の時代に批判的であったが、ミルはカーライルの権威主義に反発し、交流途絶えたという(注12,213頁)。2021/05/20

しんすけ

30
ミルはその全精力を傾け「最大多数の最大幸福」を語った。それは全人類の古代から希望であり夢でもあった。 しかし現代にいたっても、それは実現していない。それどころか新自由主義の台頭で、公平な分配も後退しているのが現状である。 何故だろうか。 多くの人が「功利主義」の真の意味を理解しようとしないことに、ミルはその因を見た。 「功利主義」は、人間の徳の表現である。だが徳のない人間は公平な分配をあざ笑う。 軍拡で庶民が疲弊するを観ない行政は、徳を捨てた豚である。2022/12/18

Bashlier

16
2/5 現代思想を作り上げた礎。”皆が快楽と自己利益を追求しても社会全体の幸福度は増す”という性善説的主張です。1863年の出版当初は正しかったのだと思うのですが、それは世界人口が5億人くらいで、地球が人類にとって十分広かったからではないかと思量。70億人の快楽追及に耐えられるほどこの星の懐は広くないのでは。また、功利主義を語るにあたって、”〇〇氏は~のように批判しているがそれは違って云々”的な常に誰かの批判と戦っている論法に終始。一本通った筋のようなものが希薄。難読かつ心に響かない論説でした。2023/04/04

34

9
J.S.ミルはいうまでもなく19世紀を代表するリベラルであり、彼が嫌悪したナポレオン三世、リンカーン、ダーウィンらと同世代である。「満足した豚よりも、満足していない人間がよい。満足した愚者よりも、満足していないソクラテスがよい」という有名な言葉はこの本のなかに出てくる。功利主義は「意志の善さ」を基準とするカントの倫理学とは対照的に、「最大多数の最大幸福」を原則とする道徳的思考であるが、ミルは上記の言葉からも窺えるように、20世紀の経済学者たちと効用についての偏狭な考えを共有していたわけではなかった。2023/10/14

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