岩波ジュニア新書<br> 作家たちの17歳

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岩波ジュニア新書
作家たちの17歳

  • 著者名:千葉俊二
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2022/08発売)
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  • ISBN:9784005009510

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内容説明

十七歳,誰もまだ「文豪」じゃなかった――太宰治は作家になろうと決意し,宮沢賢治は進路をめぐって父に反発,芥川龍之介は友達と雑誌を作り,谷崎潤一郎は苦学生だった.夏目漱石は下宿で受験勉強し,樋口一葉は父と兄を亡くして一家を背負うことになる.作家たちの十代とその決断を,当時の日記や創作とともに紹介.

目次

はじめに バタフライ・エフェクト
第一章 太宰治「作家になろう、と私はひそかに願望した」
十六歳の日記
暗号で書く
優等生の中学時代
「作家になろう」
「正義と微笑」
最初の創作 「最後の太閤」
「地図」と自己意識
ふたつの衝撃 高等学校時代
人生の死活問題
〔コラム〕近代日本の学校制度 その一
第二章 宮沢賢治「おれの恋は、いまあの百合の花なのだ」
最初の人生の岐路
岩手病院への入院
将来への不安
「Erste Liebe」(初恋)
苦悩の日々と奇蹟
「ガドルフの百合」
アドレッセンス中葉の文学
法華経との出会い
まことのみんなの幸のために
第三章 芥川龍之介「己と一緒に大きな世界へ来るがいい」
快活な中学時代
中学時代の集大成 「義仲論」
生い立ちと境遇
養子入籍
大川のほとり
回覧雑誌時代
生の孤独 「老狂人」
散りゆく花 「死相」
「死」との対話 「青年と死と」
野性へのあこがれ
第四章 谷崎潤一郎「諸君は何のために学問を修めますか」
華やかな秀才
中学時代の通信簿
春風から秋雨へ
中学校進学への思い
稲葉先生の薫陶
竹馬の友
聖人願望
書生生活
春の目覚め
作家への決意
文壇へのデビュー
〔コラム〕近代日本の学校制度 その二
第五章 樋口一葉「誠にわれは女成けるものを」
十七歳の女戸主
父ゆずりの向上心
明治の女性と学歴
萩の舎入門
歌と小説
婚約破棄
筒井筒の恋
小説家への道
覚悟と天命
奇蹟の十四ヶ月
第六章 夏目漱石「我々はポテンシャル、エナージーを養うんだ」
慶応三年生まれの作家たち
遅咲き作家の十七歳
ポテンシャル、エナージー
小さな一個の邪魔物
遠回りの学歴
落第
文学への関心
明治の青春と漢詩文
作家への道
おわりに
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まこみや

35
著名な六人の作家たちの17歳の選択がその後の人生においてどのような影響を及ぼしたかを確認したものだ。いずれも親しんだ作家ばかりで既知の事柄も多く、作品解釈・批評として楽しく読めた。しかし今の「17歳」に向かって「他山の石として潜在的才能を磨く」ように説くのはいかがなものか。いささか虚しい気持ちに襲われるのをどうしようもない。既に到着地点が判明している地点に立ってそれ以前に根拠を跡付けているだけで、つまりはレースの結果を知ってからその馬券を買うことを勧めているようなものではないだろうか。2022/06/06

NakaTaka

8
太宰治、宮沢賢治、芥川龍之介、谷崎潤一郎樋口一葉、夏目漱石。天才的な作家たちの17歳の頃。なんと感受性強い人たち。もし私の目の前にいたとしても、私のような凡人とは全く話が噛み合わないだろうなあ。2022/11/24

takakomama

8
太宰治、宮沢賢治、芥川龍之介、谷崎潤一郎、樋口一葉、夏目漱石。6人の文豪は17歳の頃、どんなふうだったのか。若い頃から凄かったんだと感心しました。自分ではどうしようもないけれど、人生や性格への家庭の事情の影響は大きいと思いました。明治の時代は、学校制度が複雑ですね。2022/09/30

chi0926

6
宮沢賢治がぶっちぎりでやばい。純粋、純朴すぎるゆえの特異さなのか。彼の17歳の頃を知ると、彼の作品の痛々しいまでの純粋さに納得する。現代の思春期世代へのメッセージとしては、文豪達は振り切りすぎているのでは。面白かったけど、少し読みづらい文章だった。2022/08/01

訪問者

5
谷崎潤一郎は芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治の3人よりも早く生まれ、彼らが亡き後も長く生きて作品を作り続け、享年79歳で大往生を遂げた。それに比べて樋口一葉の24歳はあまりにも短い生涯である。そして夏目漱石は明治と共に生きた。2023/08/21

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