愚か者同盟

個数:1
紙書籍版価格
¥4,180
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

愚か者同盟

  • ISBN:9784336073648

ファイル: /

内容説明

1960年代。さまざまな人種と階層の人間が行き交う混沌の街、ニューオーリンズ。

無職、肥満、哲学狂、傍若無人な怠け者にして、口達者なひねくれ者の30歳崖っぷち問題児イグネイシャスは、子煩悩な母アイリーンとふたりで郊外の小さな家で暮らしながら、どこに発表するというあてもない論文を、子供向けレポート用紙に書き散らしていた。

しかしある時、ふたりで街に出かけた帰り、母が自動車で他人の家に突っ込んで多額の借金をこさえ、その返済のため、イグネイシャスはしぶしぶ就活を始める。

イグネイシャスは、潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、職場では仕事を放り出し、事務所をリボンで飾り付けつつ黒人たちの労働デモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に声を掛けてきた怪しい男に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。やがて今度は職場から放り出され、警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こす――!!!

デヴィッド・ボウイも愛読した、全世界200万部超のロングセラー&1981年度ピュリツァー賞受賞作、J・スウィフト、W・ギャディス、J・ヘラー、D・F・ウォレスの系譜に連なる、アメリカカルト文学史上の伝説的傑作にして、奇人変人たちが暴走する、爆笑《労働ブラックコメディ》が、ついに邦訳!!!


☆全世界200万部超の大ベストセラー
☆1981年度ピュリツァー賞受賞作
☆デヴィッド・ボウイが選ぶ100冊

A Confederacy of Dunces, 1980

◎装画=塩井浩平
◎装幀=山田英春

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

61
怪物的変人が繰り広げるカオスなコメディ小説。イグネイシャス(と母親)の行動で雪だるま式に増えていく登場人物たちは一癖も二癖もあり、それぞれのキャラが立っていて群像劇のような面白さも持ち合わせている。ただ単にドタバタと行き当たりばったりな奇行で楽しませてくれるわけではなく、広げまくった風呂敷も丁寧に畳んでいて読後感は不思議なほどスッキリだった。途中では不快さすら感じさせるイグネイシャスも、不意に明かされる過去は痛切極まりない。全体的に笑ってすませられない人間・社会の闇がビターな味わいを醸し出していた。2022/08/01

yumiha

44
アメリカ的ドン・キホーテか井上ひさしか?ハチャメチャドタバタ劇は、思い通りにならない世の中を憂いあきらめている方々への一服の清涼剤…にはならないけれど、気分転換ぐらいの役目を果たす…かもしれない。「この世の真実こそがおもしろいこと」建前や常識を「破壊するときに噴出するものを描くのが文学」(by町田康『私の文学史』P121)というくだりを思い出した。戯画化された登場人物たちの過激な言動(差別的なものもある)は、どこか真実を突いているように思う。2023/05/11

燃えつきた棒

31
書名を見る限り、業界(怠け者・愚か者業界)必読図書のようだったので手に取った。 最初は、主人公イグネイシャスの怪異な風貌や奇妙奇天烈な一挙手一投足に大笑いしていたのだが、読んでいるうちに自分自身の過去の愚行の数々がフラッシュバックしてきて、あやしうこそものぐるほしけれとなってしまった。 この物語、どうやら僕にはあまりにも身につまされ過ぎるようだ。/2023/11/29

Takashi Takeuchi

24
表紙イラストの影響もあってか主人公イグネイシャスを初め空気階段もぐら→六角精二と脳内変換されつつ愉快に読み進めるも中盤からあまりの屁理屈三昧に引き攣り笑いに。『月曜から夜ふかし』に出てきそうなクセ強キャラがバラバラと登場し、最後に一つに収束する事を予想しつつも一向にまとまりそうにないカオスに途中クラッとした。下層階級の人々をただ憐れむでなく、かといって笑いぱなしでもなく、毒の効いたドンキホーテか。2022/09/10

21
主人公は大学院卒で無職の三十路男、巨体、トラブルメーカーのイグネイシャス。社会不適合者の彼は、自動車事故の賠償金を支払うため、しぶしぶ働くことになるのだが、苦労してやっと職を得ても、虚言癖と妄想癖のせいで問題を起こしてクビにされる。母親は息子の奇行に頭を悩ませ、アナーキーな元カノは彼に火をつけ、愚鈍な警官は世間の笑い者にされ、上昇志向の強い黒人は雇い主に噛みつき、同性愛者たちは派手なパーティで羽を広げる。町にごった返す奇人変人たちは、イグネイシャスのせいで様々なトラブルに巻き込まれる。変な小説。でも好き。2023/01/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19993850
  • ご注意事項