講談社+α新書<br> 奇跡の小売り王国 「北海道企業」はなぜ強いのか

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講談社+α新書
奇跡の小売り王国 「北海道企業」はなぜ強いのか

  • 著者名:浜中淳【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 講談社(2022/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784065293317

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内容説明

いま、「北海道企業」が続々日本の小売り業を引っ張る位置に躍進している。
似鳥昭雄氏が北海道・札幌で創業し、家具・インテリア販売で日本一に君臨するニトリは、店舗数800以上、8000億円もの売り上げを誇り、35期連続で増収増益を記録。海外市場への進出も着々と進め、売り上げ3兆円を目標に掲げる。
小売業界で首位を争うのは、ニトリだけではない。
ホームセンターで10年以上にわたって業界首位に立ったDCMホールディングス。
ドラッグストアで僅差の2位のツルハ。
食品スーパー4位のアークス。
さらに、イオングループの「優等生」イオン北海道は単体で3200億円もの売り上げを誇る。
調剤薬局で売り上げ日本一となったアインホールディングス。
顧客満足度コンビニ部門でセブン‐イレブンをしのぎ、11年のうち10回の日本一に輝いたセコマ。「セコマ」ブランドの食品、菓子、乳製品、酒を製造し東京、大阪はじめ全国のスーパー、ドラッグストアで販売している。
なぜこれほど、北海道から「強い小売り企業」が続出するのか。
北海道新聞経済部長を務め、長年業界を取材してきた著者が、その秘密に迫る。
ニトリを創業した似鳥氏、ホーマックの創業者・石黒靖尋氏、アークスの横山清氏、ツルハの鶴羽肇・樹兄弟、マイカル北海道(現イオン北海道)の大川祐一氏、アインの大谷喜一氏、セコマの赤尾昭彦氏など多くの起業家・創業者が、不況下の北海道を舞台に切磋琢磨することによって、「業界トップ企業」をつくりあげてきた。
小さな部品がたった一つ欠けたことで、取り寄せるのに膨大な時間とコストを要する「小売り不毛の地」北海道。そのハンデを克服するために積み重ねた努力が、いま、本州や海外の市場に挑戦する際に北海道企業の「強み」となっている。
「夢とロマン」で駆け抜けた男たちのドラマは、読む者の胸を熱くする。
最高のビジネス書にして、熱気あふれる経済ノンフィクションの名著誕生。

目次

プロローグ 北海道から全国へ
1 岡田卓也氏の予言
『ユニクロ』『ニトリ』の台頭
2 小売業界の主役に躍り出た北海道企業
北海道由来の2社による『島忠』争奪戦/釧路で取り組んだ〈単品管理〉/ジャスト・イン・タイムの商品供給/ニトリとホーマックは〈同志〉だった/なぜ北海道から成長企業が続出?
第1章 1998年の〈北海道現象〉
1 未曽有の金融危機下で輝いた5社
不況下でトップ企業に売り上げ集中/〈購買投票権〉行使が独り勝ち生む/ダントツ企業が5社同時に登場/脱金融依存の象徴
2 生き残った子会社、マイカル北海道
巧みな商品政策で地方百貨店を圧倒/釧路サティの成功が自信に/親会社とも戦ったプロ経営者/ビジョナリストと成果主義者/倒産へのカウントダウン
第2章 〈危機〉を乗り越えて――ツルハとニトリの並走
1 コロナ禍で躍進する〈北海道のビッグ7〉
首都圏に侵攻したもう一つの北海道企業/似鳥氏の経済予測が当たる理由/コロナ禍の半年前にECを強化/〈危機察知能力〉高めた北海道の環境
2 夢とロマンで逆境を乗り越えよ
急拡大市場で覇権争うツルハHD/家業を継ぐ気はなかったが…/アメリカで見たドラッグストアに納得/四半世紀持続させたロマン/日本一目指す”並走者”/30年計画をほぼ正確にクリア/すんでのところで命拾い/〈北海道一〉を飛び越えて/夢を達成しなければ生き残れなかった/道産子流?全国制覇の極意
第3章 〈流通革命〉の旗手
1 2010年代、〈豊かさ〉を得た北海道
チェーンストアがもたらした豊かさとは/究極の寡占市場
2 1960年代、北海道価格を破壊した”学生ベンチャー”
北海道の物価は理不尽に高かった/チェーンストア産業の理論家・渥美氏/北大生協の学外店舗から始まった/「地域生協」設立へ/ペガサス理論の新たな申し子
第4章 究極の〈3極寡占市場〉
1 イオンという名の“外資“の上陸
資本の論理に敗れた”ドリームチーム”構想/重かった〈3・9%〉/抵抗2年、ついにイオングループ入り/
2 永遠の宿敵、アークスvsコープさっぽろ
”スーパー”スター経営者/「感動的安さ」支える人間力/SM業界全体の繁栄を/「横山さんと仕事をしたい」/魚かすがスーパーマーケットに化けた/代えのきかぬリーダー
第5章 セブン‐イレブンが勝てなかったコンビニ
1 絶対王者に挑む〈逆転の発想〉
顧客満足度でセブンに勝ち続ける地域コンビニ/ブラックアウト下の〈神対応〉/セブンの上を行く〈変化先取り力〉
2 〈北海道現象〉第6の企業の”急がば回れ”
ツルハと絶妙な棲み分け/調剤薬局経営の特殊性/起業家の本能/〈1580人に1人〉の異才/史上最大の番狂わせ
第6章 ハブ・アンド・スポーク――北海道企業の未来
1 過疎地のセーフティーネット
三重、四重の安全網/筋金入りの過疎地チェーン/21世紀の〈よろずや〉
2 デスティネーションストアへの道
満を持して島忠買収を発表/後出しじゃんけん”/逆転の買収劇はなぜ成功したか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

11
うーむ、とても興味深い内容だった。著者は北海道新聞の経済記者(論説委員経験あり)。1998年末、拓銀破綻。そして行革は2001年に北海道開発庁廃止を決定。そうした中で札幌に本社を持つ5つの小売の上場企業が急成長していた。ラルズ(食品スーパー)、マイカル北海道、ニトリ、ツルハドラッグ。ツルハ以外の4社のメインバンクは非拓銀であった▲同時期、岡田卓也は外資系小売(ウォルマートやアマゾンドットコム)が日本を占領するという危惧を示す。結果的には半分外れた…続2022/08/27

ナン

10
ニトリ、ツルハ、ラルズ、セイコーマート、ホーマックなど身近にある小売店がいかに成長して今に至るか。各企業が、様々な努力、判断、そして時には荒波を乗り越えて、成長していった過程を興味深く知ることができた。その背後にあるのが渥美俊一氏が唱えた「チェーンストア理論」というのも今回初めて知った。本書を読むとこの理論の影響力の大きさに驚く。また、ダイエー・マイカル等本州資本の盛衰、サティ・ジャスコ・ポスフール・イオン等の店名変更などはリアルタイムで知ってはいたものの、詳しい背景・経緯は今回初めて知り勉強になった。 2023/05/21

itchie

8
長かった……。ちょっと詳しく書きすぎかも。でも面白かった。ハンデを抱える北海道で試行錯誤を重ねたがゆえに、北海道の小売りは強い。渥美俊一氏の「チェーンストア理論」の影響力を知った。ニトリ、ツルハ、DCM、セイコーマートあたりは知っていたけど、化粧品中心のドラッグストア「アインズ&トルペ」が北海道の企業だったのは知らなかった。本業は調剤薬局。セイコーマートが、コンビニではなく食品メーカーとして本州進出を進めているというのも興味深い。2025/06/17

くらーく

6
上京する時には、石黒ホーマぐらいだったかな。ニトリも就職先としてはあったけど、海の物とも山の物ともと言う感じだったし。昭和の話ですけどね。 確かにすごいよな。北海道なんてじゃなくて、北海道だからかねえ。こうして読むと、結局は環境(人とのつながりも含めて)なのかな。誰々さんがこうやって上手くいった、と言うのを近くで見たり、直接本人と話して感じることができる。それが大きいような気がするな。あとは、拓銀破綻等も環境だけど、ぬるま湯ではない環境。それと、本人の思い込みかな。ま、あとは運かな。創業者の偉大な事。2022/11/12

モビエイト

5
あまり北海道の企業を知らなかったので勉強になりました。豊かな土壌でなかったからこそ無駄を削ぎ落とし物流を整備する事で特色ある小売店になったのだと思いました。2022/11/20

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