内容説明
僕には【サバの味噌煮の缶詰】を見ると思い出す友だちがいる。小学校の運動場。放課後にサッカーボールを追いかけることだけが人生の全部だった、あの頃。そこにはタケちゃんがいた。小学校最後の夏休み、僕はタケちゃんと一緒に冒険の旅に出た――。
懐かしくて、じんと来る、笑いと涙の映画『サバカン SABAKAN』(2022年8月19日全国公開、出演は番家一路、原田琥之佑、 尾野真千子、竹原ピストル、貫地谷しほり、草なぎ剛)。本書は金沢知樹監督が書き下ろした原作小説です。
「サバカン SABAKAN」「ガンダムの恋」「弟と少年ジャンプとプラネットマン」の三篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
83
本を閉じると同時に鳥肌が立った。めちゃめちゃ好きな作品に出会えた!昭和の少年の物語。竜子の竜は竜胆の竜。竜胆の花言葉は「悲しみに寄り添う」。私もそんな人になりたい。そして、タケちゃんとの夏の思い出。弟と少年ジャンプ。ここには、同じ昭和を生きた私の思い出も生きていた。ジブリの「おもいでぽろぽろ」のよう。今では信じられないが当時の学校の先生は当たり前のように子どもが悪いことをすれば手をあげた。肯定する訳では無いがそういう時代だった。ノスタルジックで温かい作品。おすすめします。2023/09/23
ふじさん
80
図書館本。Netflixで、この映画のことを知り、手に取った本。表題作「サバカンSABAKAN」は、僕とタケちゃんの小学生の頃の懐かしい思い出を綴った作品。友情や家族愛に溢れた何か昔の日本を感じる青春小説。「ガンダムの恋」は、僕の学校の個性際立つ二人の先生の恋の話、先生方のぎこちない姿は笑いを誘うし、何故か心を温かくさせてくれる内容。「弟と少年ジャンプとプラネットマン」は、兄弟愛や親子の絆がその時代の少年たちの一番の興味ある「少年ジャンプ」と「キン肉マン」を絡めて描いた話。どれも懐かしさや心癒される作品。2025/02/08
mike
73
金沢監督の自伝的小説で、80年代の長崎が舞台である。子どもが子どもの時間を存分に使えた時代。暴力的な体育教師やたむろするヤンキーにびくつきながらも、未知の世界にワクワクしながら冒険をする事ができた懐かしいあの頃。魚が大好きだった友との友情、怖い体育教師の恋バナ、5つ歳下の弟の手術の話。笑ったり泣いたりの賑やかな毎日を懸命に目をキラキラさせながら過ごす主人公康弘の姿にホロリとする良作✨2023/02/12
ぶんこ
66
長崎での小学生高学年での日々。同じクラスのタケちゃんの家がボロボロなのに、室内は清潔との描写にタケちゃんは大丈夫と感じました。鯖缶で握り寿司は想像がつきませんが、大人になったタケちゃんが寿司屋さんになっているのがよかった。体育教師の体罰に目がテン。昭和の時代だからか?ガンダムとドムの恋と体罰が噛み合わなくて戸惑う。最後の兄弟の話が最高でした。5歳ちがいの弟への思い。殴られても絶対に離さなかったジャンプ。いいお兄ちゃん。あとがきの父親の話も胸に刺さりました。2023/02/06
maxa
49
同年代読友さんたちのレビューが印象に残っていたので思わず手に取ったけれど、借りて正解!綴られる言葉はシンプルなのに泣けて笑えて郷愁も感じられて好きなやつだった。小学生ヤっちゃんを主人公に、友人との思い出、先生の恋愛話、弟との関係について綴られた短編集。それぞれモデルがいるらしいが、皆独特だけれどその人を知るほどに好きにならずにいられない人たちばかり。特に毎回登場するお父さん(作者の父がモデル)がガサツで大雑把なのに妙にあったかくていい味を出していた。伊藤博文の千円札、指切りげんまん、キン消し…懐かしい〜。2023/11/06
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