内容説明
生誕150周年。25歳の若さで亡くなった異端の画家オーブリー・ビアズリー、その栄光と破滅の生涯を描く。
19世紀末のイギリス。21歳の青年ビアズリーは小説家オスカー・ワイルドのもとを訪ねてこう言った。
「是非ボクの絵を『サロメ』に使って欲しいのです」
ワイルドは突然の申し出に驚いたが、
彼の大胆不敵な態度、妖しい魅力、そしてたぐいまれなる才能に溺れていく。
同性愛疑惑、実姉との近親相姦などスキャンダラスな噂が飛び交う一方で、
肺病に苦しみながらも、ただひたすらに作品を描き、芸術にすべてを捧げた。
地位も名誉も手に入れたビアズリーが、死の直前に求めたものとは――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
47
5/11日まで三菱一号館美術館にて「異端の奇才 ビアズリー展」が開催中。ビアズリーと言えばあのワイルドの「サロメ」の妖艶な挿絵が有名。原画を一目見ようと行った美術館で販売していたのがこの本。漫画なら簡単にビアズリーの生き様が理解できるだろうと思って開催図録と一緒に購入した。んん?購入したのは2巻目でした。て、言うか、販売していたのは2巻のみ。なして?三菱一号館さん。結局、この1巻目はAmazonで購入しました。早速ワイルドさん登場から~の「イエローブック」の話。お~エドワード・バーン=ジョーンズさん登場。2025/04/06
歩月るな
14
博覧強記な参考文献より結実した「漫画で読むオーブリー・ビアズリー伝」である。さすがハルタの本というか、世の中にはまだまだ怪物がたくさんいるものだとうならされる。奇しくも、サロメを冠する著名人が(某FGOにもいるが)一般にも認知されているのかいないのか、知ってか知らずかこの界隈、夭折の天才画家の生き様を知って酔い痴れ様。まじで芸術家漫画としてめちゃくちゃ面白いですし、なんかもうすさまじくて泣いちゃう。ちょっと感受性が迷子になってしまうかのようで、あと紙の本は是非カバーを外してひとしきり眺めてみてくださいね。2022/08/17
kokekko
5
ピアズリーの絵は知っている。いかにも退廃的な雰囲気で嫌いじゃない。しかし彼が25歳で結核で亡くなっていたことは知らなかった。作品の冒頭で紹介されるその情報でひきつけられ読み切ってしまったのは、耽美! 退廃! 業! 愛憎! という感じの、美しくドロドロしたワインみたいな飲み口の作品だった。漫画の枠線にも絵柄が入っているコマがあったりして、萩尾望都など往年の作家の歴史漫画のオマージュのような雰囲気もある。どっぷりひたれる怪作。続きも楽しみだ。2022/08/19
真霜
4
「芸術家」になりたい彼等は、色彩を変えながら夥しい欲を吐く。劇作家・オスカーワイルドのサロメに挿絵の使用を提供してきたのは蠱惑的な微笑みの画家、からはじまる異端児ビアズリー伝です。サロメが好きですしビアズリーの絵自体は知っていましたが、夭折した彼の半生には詳しくなく知れば知るほど普通ではない人なのに唆られました。喀血しながらも彼は自分の舞台を探し、ペン先を滑らせてゆきます。そして彼の側にいるのは健やかで美しい人。誰が甘美なる言葉を紡ぐ破滅の悪魔なのか、凝った画作りからなる顛末が気になります。2022/08/25
たけのこ
3
ときは19世紀末のイギリス。25歳の若さで亡くなった実在した異端の画家オーブリー・ビアズリーとその姉の生涯を描く。作品全体からうまれる妖艶さやレトロさは丸尾末広先生を髣髴とさせるところも。wikiとにらめっこしながら読むと二倍楽しめる気がします。2022/09/09
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