潜行三千里 完全版

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潜行三千里 完全版

  • 著者名:辻政信
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 毎日ワンズ(2022/08発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909447081

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内容説明

『潜行三千里』は1950年夏に毎日新聞社から刊行されるやたちまち世間の話題をさらい、続々版を重ねたほか、海外でも注目を浴び、英・仏・中・豪・タイでも翻訳出版された戦後の大ベストセラーです。本書は、潜伏中に書かれ、ご遺族が72年間秘した未公開原稿を独占収録、装いを新たに「完全版」として再発刊したものです。
厳しい取り調べや警戒線突破、中国兵による連行など読者をハラハラドキドキさせる絶体絶命のピンチや、偽坊主や偽医者になりすましたために起こるハプニングなどの場面に、思わず笑ってしまうユーモアたっぷりのエピソードもちりばめられ、冒険談、戦記物としても読みごたえ抜群、しかも初公開原稿には「アメリカではなくソ連を討つべきであった」「陸海軍の功名争いはあさましい限り」と記されるなど、この時代を知る貴重な資料となっています。没後早や50年、著者にまつわる「作戦の神様」「軍事の天才」や「無責任」「大ぼら吹き」といった月旦評はひとまず脇に置いて、伝説のベストセラーをじっくり味わってみてはいかがでしょうか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

R

43
戦後、潜伏していた頃を綴ったもので、読み物として非常に面白かった。二次大戦後の日本軍人がどういう目にあうのか、またそれを潜り抜けていく、戦後も続いていた闘争の実地が描かれているようで読み応えがあった。坊主、医者、教師と変装擬態して潜り抜けていく姿、苦難の連続と、先々で出会う様々な軍人たちとのふれあいも興味深く読めた。特に当時の中国、共産党と国民党との戦いの実情が垣間見える部分も数多く、国民党の腐敗極まれる部分の描写が生々しく、実録として大変面白い読み物でした。2020/06/23

金吾

39
毀誉褒貶が多い著者ですが、読み物としては面白いので才能はあったのだろうと思います。しかし内容から推察するに自己顕示欲と自己肯定の固まりであり、人間としてはやはり好きになれないタイプだとも思いました。2023/01/11

ジャズクラ本

18
◎読了後、呆然としてしまった。辻政信といえば鬼畜悪漢の権化とされているが、ここに書かれているのは至極真っ当、当時の中国情勢の分析も的確かつ慈悲に溢れた熱血漢という印象。これがあの辻の文章かと疑いたくなったが、考えてみればだからこそ行き過ぎた言動があったにも関わらず軍から重宝され、一部から作戦の神様などと賞賛されたのだろう。恐らく辻は真のサイコパスであり、思いが高じると他者に対して見境のない行動を取ってしまう性癖をもっていたのではないか。現代、至るところで見られるパワハラによる悲劇も同根のものに思える。2020/10/04

速読おやじ

15
辻参謀は歴史的評価が分かれるらしい。ノモンハン事件での命令違反や、バターン死の行進に関与していたなどと批判され、戦犯を逃れるために本書のように海外で潜伏していたという。でも、本書を読む限り、辻の正義感や使命感は本物だと思う。ただ逃げ回るために、そこまではしない筈。中国の戦後のゴタゴタ、国民党の腐敗ぶりもよく分かる。歴史を一人の人物を通して、なぞってみるという読書もまた面白い。2019/10/12

mashumaro

14
現職の国会議員の著者はラオスの視察先で行方不明になり、死亡宣告を受けたという謎多い人物。終戦後、軍を離れ逃亡したのは戦犯としての罪を免れるためという見方も多いが、本書を読む限り、潜行先での過酷な生活は大義なくしては説明がつかないようにも思える。敗戦国となった国民の辛酸を思えば、何をどう取り繕えども軍部の怠惰の罪は許されないが、辻政信は少なくとも義はあったということなのかな。中国という国の、日本人とは相容れない国民性を見るに、近くて遠い国だとつくづく思う。2021/10/17

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