内容説明
環太平洋沖に突如現れ、多くの人命を奪って世界中の海域を支配した謎の巨大生物レヴィヤタン――通称レヴ。
通常兵器では到底歯が立たない怪物に対抗するべく、人類が生み出したのは、レヴの死骸からなる機体に子供を乗せて戦わせる人型兵器《ギデオン》だった。
地方の民間ギデオン搭乗者として働いていた高校生・善波アシトと、その幼馴染の宮園エリン。ある日、二人のもとに、戦闘指導官として国連軍のエリート・風織ユアが現れる。境遇の違いから、初めは衝突し、すれ違っていた三人も、厳しい訓練と任務の中で、やがて確かな信頼関係を築いていく。
そして、死と隣り合わせのレヴとの交戦の中で、アシトは覚醒の時を迎え――。
海と喪失を巡るロボットジュブナイル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
38
環太平洋沖に突如現れ、多くの人命を奪い世界の海域を支配した謎の巨大生物レヴ。通常兵器では歯が立たないレヴを相手に、死骸から生み出されたギデオンに乗る子供たちが戦うファンタジー。地方の民間ギデオンとして働く高校生・善波アシトと幼馴染の宮園エリン。そして戦闘指導官として出向してきた国連軍のエリート風織ユアとの邂逅。初めは衝突しすれ違う中で育まれてゆく確かな信頼関係や、大人の事情に憤る彼らの葛藤や決意があって、まだまだ謎も多いレヴを相手にギリギリの状況でも決して諦めない彼らの物語をまた読んでみたいと思いました。2022/08/11
まっさん
32
★★★★★ これはかなり素晴らしかったです。 物語の舞台は宮城県気仙沼市。ある日突然現れた人を喰らう怪物・レヴによって、世界中の海域が支配されてしまった世界。レヴの死体を活用し、子供が乗り込む事で動かす事が出来る人型兵器・ギデオンに搭乗する少年・善波アシトが過ごす日常を描いた今作。 とにかく良かったのは人類を脅かすレヴと闘うギデオンという構図。この手の人類の滅亡危機という作品は大好物なので、それだけで一読の価値がありました。また、ただ闘うだけの作品だけでなく主人公・アシトの心の傷を上手く描き、キャラク→2022/09/06
オセロ
28
突如現れ多くの人の命を奪い、全世界の海を支配する謎の巨大生物・レヴ。そんなレヴに対抗する為に、レヴの死骸から作られた人型兵器〈ギデオン〉に乗る少年少女達が紡ぐバトルファンタジー。 幼馴染の宮園エリンと共に民間のギデオン乗りとして働く善波アシトの前に国連から出向してきた風織ユアが現れ最初はぶつかり合いながらも訓練を通じて打ち解けていく3人。そんな3人の運命が変わるような任務にぶつかったことで浮き彫りになる、子供の自分達ではどうしようもない現実と絶望を乗り越えた結末は予想外のもので、続きが大いに気になります。2022/08/14
のれん
28
これはとてつもない意欲作にして、文字通りの怪作である。 子供は怪物だ。それは大人の強制への反抗であり、他人と相容れない自意識の拡大を意味する。 その上で本作は災害という背景を滲ませる。災害がもたらす幸せを拒絶する強迫観念。全てを奪い、許す海への回帰は、エヴァを思わせる、心胆を凍らせる描写だ。 参考資料も使うほど東日本大震災による気仙沼被害をモチーフにしており、今尚風化しない恐怖を正面から描いた本作は、90年代の終末観を蘇らせた。 ラストまで「怪物」を貫いた展開も本作ならでは。セカイ系好きなら是非一読を。2022/08/11
ひぬ
23
再読。謎の巨大生物・レヴによって世界中の海は支配され、それに対抗すべく生み出されたのは子供が乗る人型兵器・ギデオン。民間のギデオン搭乗者として働いていた高校生・アシトの元に国連軍のエリート・風織ユアが現れ…ちょっと衰退して感じの退廃的な雰囲気がマジで好き。水中ロボアクション要素はありましたが、あくまでヒューマンドラマがメインな印象。かなり重めなテーマではありましたが、それが上手く描けていました。これから先のことがすごい気になるけど、この終わり方でも良い。(そもそももう続刊は望めないし…)2024/06/21
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