内容説明
「どちらまで?」 「じゃ、風町、まで」 その町へ行くのに、特別な切符や旅券はいらない。 ナンバーに7のついた黄色いタクシーで行けるというけれど、その町がどこにあるか運転手も知らない。 「風町」と呼ばれる架空の町でひっそりと紡がれる、ちょっと不思議で心地よい日々。 「風町から」「風町まで」の二部構成で三十一の短編を収録した、心がほぐれる束の間のファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
69
不思議で少しシュールな世界。夢の中のような、古い記憶の欠片を捜しあてたような…そんな読後感。優しく儚い、ひとときの夢。あとがきを読んで竹下さんの宇宙を感じました。一気に読むのではなく、寝る前にひとつかふたつ、ゆったりと読むのが良さそうです。2018/10/27
ゆきち
65
読メを始めて、3年と2ヶ月。この本で300冊です。1年に100冊とは決して多くないけど、好きな本にたくさん出会えたり、時には苦手な本をなぜか必死に読んでみたり…読書は、知らない町、国、世界に連れていってくれる舟だと思います。寝る前にゆったりと時間をかけて読んだこの本を今閉じて、「この本を300冊目にできてよかった」と思いました。それは、読んでいると不思議と表情が柔らかくなり、この本の世界にふんわりと入り込めたから。頭の中に優しい風が吹いていくような読後感です。頭や心が疲れたときにピッタリの一冊です。2017/11/04
ぶんこ
55
著者初読みで、ショートショートは苦手な事を忘れて読みふけりました。願えば誰でも行かれる不思議な町「風町」。1編ごとに自分も一緒に町を歩いている気持ちになり、一緒に緩やかな毎日をおくっているようでした。後半の「風町まで」が特にお気に入り。夕焼けを楽しむ工員さんに共感し、私なら朝焼けも瓶詰めしたいな。あとがきにかえての部屋のテーブルの上で芝生を育てる女の子の話が大好きです。本当の話?自分も育ててみたくなりました。2018/11/13
penguin-blue
51
心が疲れているときには必死に前へまっすぐ歩みを進めることだけに一生懸命で、ついつい忘れがちなのは風の心地よさだったり、光の温かさや季節の色…そういうささやかなでも大切な温かさが詰まった一冊。読んでいるとちょっといつもと違う道を通ったり、途中でひと休みしたくなる。そうしたら一風変わった音楽会に招かれたり、不思議な宅急便が私にも届くだろうか。 竹下文子さんは久しぶり。「星とトランペット」再読したくなった。今の私にはどう響くだろう。2017/09/30
はな
49
ふんわりとした優しい短編。どこかちょっとだけ不思議で心がほこほこしてくる印象。烏の嫁入りのドレスの描写とかとてもすてきだなって思えました。ファンタジーなのに懐かしさもあってセピア色の写真集や童話のような大切に読みたくなる1冊。2017/09/18




