内容説明
この本は新しいタトゥーの時代を開こうとしている。自然力を封じ込めた美しい呪的紋様を直に皮膚に彫り込み、深く身に纏う。トライバルタトゥーは人間と自然の間に力強い美の通路を開く。21世紀の都市的文明を生きる人類が見出した新しいコスチューム!――中沢新一(人類学者)
バックパッカーの旅費稼ぎから始まった彫師としてのキャリアは、やがて世界の民族刺青を求めるフィールドワークに発展し、さらに時空を超えて縄文へと繋がる。
日本を代表するタトゥーアーティスト・大島托が、トライバルタトゥーをめぐるリアルな習俗と歴史、そして現在を描き出す旅の記録。
本書では、各国のトライバルタトゥーを巡る本文のあいだに、KENTA UMEDA撮影による、著者の代表的なタトゥー作品のポートレートを収録。そのほか各国の民族タトゥーの図版も掲載し、紀行文であるとともに、世界の入れ墨文化をめぐる人類学的な記録にもなっている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イッセイ
1
すごいぞ、トライバルタトゥーの世界! 著者はバッグパッカーのように日本を飛び出し、海外で生きる術としてタトゥーを彫ることを身につけた。それまでポリネシアやアイヌのタトゥーに関心があったわけではない著者が、タトゥーの深みにハマるにつれ、伝統的なタトゥーの担い手にもなっていくところにもおもしろさがある。その知識もすごい。2023/08/14
みわ
1
タトゥーってめちゃくちゃ面白い。特に暑いところは全身、寒いところは手とか顔だけっていうのがなるほど!って思った。だから、呪術とか治療とかももちろん大きいと思うけど、見せることを前提としてたってことだからファッションとかおしゃれとか、自分を誇示する目的でやってたのが次第に意味を持ってきたんじゃないかって思うとちょっと楽しい。筆者が取り組んでる縄文タトゥーの再現も本書を読む前は写真を見てこんな派手なわけないと思ったけど、全くない話でもないのかもしれない。世界中のデザインとか見てるだけで楽しいしワクワクする。2022/10/15