内容説明
二千六百年前、釈尊の教えから始まった仏教は、インドから中央アジア、中国、朝鮮、日本へ伝搬するうちに思想を変化させながら発達した。エリートのための仏教から、民衆のための仏教に変貌した過程を豊富な図版により解説する。 301ページ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aster
77
分かりやすい。読んでいるうちに忘れる用語の説明も簡潔に繰り返してくれるのでスラスラ進む。そして仏教の内容も何とも面白い。当たり前だがユダヤ教イスラム教キリスト教とは違って、何とも刺激的である。俗なものを軽視しない考え方は素晴らしいと思う。本当に買って良かった。素晴らしい本です。仏教入門を何冊も読んでいる訳では無いので説得力が無いかもしれませんが…これは初心者にとって最良の入門書と言ってもいいのではないでしょうか。2020/05/19
デビっちん
21
再読。仏教の誕生から、その歴史を辿ることで見えてくるものがあると思いました。様々なニーズに答えるために細分化していくのは、この世の理なのかもしれません。2019/03/05
デビっちん
17
再読。今回印象に残ったのは、仏教の根本精神が「中道」であること。中道は平均主義ではなく、いつも動いているもの。動きながら全体を見渡して積極的に中道を発見していく。固定化すると軸ができて便利ですが、変化の中から中道を見出すのが大切なのかなーと。仏教の学びに関わらず、仕事や人生もそうなんだろうなと感じました。2020/12/26
デビっちん
12
仏教の起源からインド、中国、日本へ伝わってきた発展の歴史とその全体像を解説している本。この世の事物はすべて相互に依存し合っており、いずれも相対的な存在である。ゆえに、仏教の根本は「縁起」の思想がある。仏教では「中道」を強調している。なんとなくしかわからなかった小乗仏教や大乗仏教、顕教、密教とがスッキリとわかった。今まで読んできた仏教についての知識が整理、統合された感じ。初めての人にも、既に仏教の知識がある程度ある人も楽しめる本かと思います。2016/02/27
澄
12
読みやすく、分かり易い解説。中学の頃に見た映画「空海」を思い出した。その中でも最澄が空海に教えを乞う場面があった記憶が。事実の通りだったのですね。2014/12/26