ちくま学芸文庫<br> ヴァンデ戦争 ──フランス革命を問い直す

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ちくま学芸文庫
ヴァンデ戦争 ──フランス革命を問い直す

  • 著者名:森山軍治郎【著者】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 筑摩書房(2022/08発売)
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  • ポイント 325pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480511171

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内容説明

「自由・平等・友愛」を掲げて行われたフランス革命。その革命政府によって課された重税、徴兵令や、カトリック教会への抑圧などに反発して起こったフランス西部・ヴァンデ地方の民衆蜂起は、「カトリック王党軍」という反乱軍を組織して、共和軍との数年に及ぶ内戦へと突入した。革命政府は、ヴァンデ地方での無差別の大量殺戮をもってこれを弾圧し、1793年から96年にかけて革命の名の下に数十万の民衆が犠牲となる。ヴァンデの人々はフランス革命をどう捉え、何を目的に行動したか。史料に基づいて、「後進地域の狂信的民衆による反革命蜂起」とみなされてきた戦争の実態を克明に描く。

目次

はじめに/地図 一七九三年のヴァンデ地方/地図 ギャレルヌの転戦/地図 旧地方区分と主要都市/Ⅰ つくられたイメージ/ボカージュとマレ V・ユゴー『九三年』 マチエとソブール ゴデショとテュロー/Ⅱ 革命への期待と願望/1 陳情書に見る民衆意識/偏見による解釈 経済活動の自由と治安 平等志向 聖職者への要望と自力救済/2 経済的繁栄/解かれた呪文 繊維工業と製紙業 道路・交通網の開発/Ⅲ 急旋回──抵抗の原因をめぐって/1 社会経済的要因/都市化論 均質的農民論/2 民衆文化論/共同体のモラル秩序 聖職者民事化法/3 不平等を生む革命/教会財産の売却と重税 なのになぜ兵役だ!/Ⅳ 怒濤のごとく/1 三月蜂起/怒れる若ものたち 首都占領/2 マシュクール事件/プロパガンダ 事件の真相 親愛なるわが兄弟たちへ/3 中部軍結成に向けて/サピノー参加 ラ・ゴーブルティエール レ・ゼルビエ占領/4 ロワール右岸/サヴネの蜂起 ゲランド攻略/Ⅴ 連戦連勝/1 最初の大激突/シュミーエ決戦 デルベの「主の祈り」/2 東部主要都市の制覇/ラ・ロッシュジャックラン登場 共和軍退却 通行許可証(パスポート)/3 カトリック王党軍/二つの声明 最初の敗北 フォントネ攻略 動けない中部軍/4 最高司令官の選出/最高会議の設立 〝熟れた果実〟 カトリノー/Ⅵ 民衆の組織・論理と感性/1 カトリック王党軍の編制/一五万の民衆軍 専門部隊 即席軍と常備軍 軍律 サブ・リーダー/2 女性と子供の役割/祭りに行くように 女スパイ 看護婦として ランジュヴァン/3 教区会議/規約決定 会議の任務 生活物資の調達 秩序維持/4 最高会議の政策/心理作戦 財政政策 旧体制への逆戻りか/Ⅶ 防衛戦への転化/1 はじめての躓き/ナントの転換点 一進一退 二代目最高司令官 穀倉地帯の壁/2 マインツ部隊/国民公会と共和軍 ロンドンからの使者 クレベール将軍/3 ショレの激突/レスキュール致命傷 トラとライオンの戦い/Ⅷ 西北西の風に抗して/1 ロワール越え/捕虜たちに特赦を! 目標のない遠征 ドーヴァー海峡を睨んで/2 裏切られた期待/故郷へ アンジェとル・マン 主力軍の潰滅/Ⅸ 処刑と虐殺/1 集団銃殺/ノワールムチエ島 デルベの処刑 ジガン競馬場 殉教者の墓所/2 ナントの溺死刑/〝国家の浴槽〟 子供たちの溺死刑/3 地獄部隊/出動日誌 シャンズオ村 大虐殺 集団記憶の抹殺/Ⅹ その後のヴァンデ/1 終息に向けて/孤独な英雄 仲間割れ 講和条約 シャレットの再武装 二人の最期/2 民衆意識の持続/ショレの再建 政治的保守主義 ヴァンデの深層/おわりに/文庫版解説 地を這うように歴史を見つめ、今とこれからを考えたい(福井憲彦)/参考文献/ヴァンデ戦争史年表/人名・地名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

19
フランス革命に対して「カトリック王党軍」が起こした大規模な反乱を描く。はじめに研究史を紐解き、都市ブルジョワVS無知蒙昧な農民というステレオタイプな見方を批判する。反乱の中心となったヴァンデ地方は、迷信深い田舎ではなく順調な経済発展を遂げた地域であり、住民が中央に出した要望も革命の大義と争う部分は少ないことを指摘。ただ宗教的な統制策や徴兵令によって地域の基盤が揺らいだことで、大規模な反乱に至る。革命軍による虐殺は凄まじく、ナチスの蛮行も思い起こさせるところ。革命の大義とは何だったのかを再考させられる。2023/08/09

Go Extreme

1
つくられたイメージ: ボカージュとマレ ユゴー マチエとソブール ゴデショとテュロー 革命への期待と願望: 民族意識 経済的繁栄 急旋回 社会経済的要因 民住文化論 不平等を生む革命 怒濤のごとく: 3月蜂起 マシュクール事件 中部軍結成に向けて 連戦連勝: 最大の大激突 東部主要都市の制覇 カトリック王党軍 最高司令官 民衆の組織・論理と感性: 教区会議 最高会議の政策 防衛戦への転化 西北西の風に抗して: ロワール越え 処刑と虐殺: 集団銃殺 地獄部隊 その後のヴァンデ: 終息に向けて 民衆意識の持続2022/06/04

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